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れれれのおじさん

Author:れれれのおじさん
長崎生まれで高校卒業まで長崎育ち。74年に建築設計の世界に入り、ゼネコンの設計部、アトリエ系の設計事務所などを、さらしに差した鉛筆一本で渡り歩いて設計を修行。86年に縁もゆかりも無い福岡で設計事務所を開設。日本の気候風土に合った風通しのいい住宅を基本に、自然素材を使った住宅造りを続けている。

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2019/07/25 (Thu) 10:07
被害を受けた京アニメの建物に関して

京アニメの火災に関し、報道関係の内容を読み込んでも、防火設備は不要な建物だったとの記事を目にしますが、その殆どが消防法上のことを書いていると思われます。

建物に関する規制は、建築基準法と消防法と両方からかかってきますが、消防法だけの記事が一般的に流布するに関し、専門家として建築基準法上の疑問点を述べてみます。

まず、3階建ての3階に居室がある場合の直通階段は防火区画が必要です。
これは居室部分が火災にあっても安全に避難できる目的ですが、今回の火災で最大の疑問点がここにあります。このことは同じ専門家にも疑問に思う内容です。

避難のための階段が2ヶ所求められる建物は階数、規模、構造体の種類、建物用途により様々な規制があります(多岐にわたるので詳細は省きます。)が、今回のケースでは2箇所の階段は必要な建物だった様子です。したがって、報道に出ている範囲では、火災時に煙突状になった螺旋階段ともう一つ屋上まで通じていた階段の2ヶ所があります。

ここで問題は、その2箇所の階段が建築基準法で言われる竪穴区画がなされていなかったのではないかということ。

ニュースでは螺旋階段が焼けただれていましたが、本来ならこの階段も防火区画されていなければいけなかったはずなのに、何故むき出しで設置されていたのかということです。

以上のことから、当初からむき出しの階段だったのであれば明らかに建築基準法違反。建築基準法を遵守していればここまでの被害は出なかったはずです。

もう一つ考えられるのは、外観から見ての違和感。つまり2階と3階の外壁の作りが一貫性がなく、ひょっとして当初は2階建てだった建物を増築して3階建てにしたのかも。階段に関しては、当初からあったのが螺旋階段で、増築した際に屋上まで行ける階段を設けたのかなということ。

2階建てであれば竪穴区画は必要ないため、この推理も可能性はあります。

TVでこの会社の社長が、外部に非常階段をつけるべきだったとコメントしていましたが、外部につける非常階段も色々と問題がありますが、今回のケースではそれがあればどれくらいの人が助かったのだろうかと思うと、残念でたまりません。

しかしよくあるケースで、安全の確保のための非常階段ですが、防犯の意味で日常的には鍵をかけているケースが多く、また物販店などでよく見られるように、その階段に至る経路上に様々な物が置かれるケースが有り、そのことが避難を妨げることがよく見られます。

消防の定期査察時にこういう状態が見られると改善命令などが出されるようですが、だから改善されたという話はあまり聞こえてきません。やはり実際に火災で被害者が出たということでもない限り、なかなか改善されません。火災発生はレアケースであり、自分のところでは起きないという、誰しも持っている根拠のない自信なんでしょう。

内部に関する疑問点として、内装に板が使われていた画像がニュースで見ました。
3階建て以上の建物の場合、内部に使う仕上げ材や下地材には不燃材料もしくは準不燃材料を使う必要があります。これが建築基準法第35条の2に書かれている内装制限という法律です。

窓からの火炎の出方が激しいので、内装制限がかかっている建物なのに何故と思ったのがその理由です。
火炎の激しさはガソリンの爆発によるものでしょうが、それにしても異常な激しさで、昔見たタワーリングインフェルノというアメリカ映画を思い出しました。日本の建築基準法であれば、高層建築があれだけ窓から火が出るほど燃えるはずもなく、ましてや避難階段に煙が充満するはずもないのにという思いで見ていましたが、その思いが湧き上がったものです。

ひょっとして内装制限も無視していたのか。

次に、屋上への避難扉が開けられなかったことで、屋上の出口で数人が死亡していたとの報道でした。全く避難の役に立っていません。

その鍵がどのようなものだったのか不明ですが、やはり防犯を考えて日常的には鍵がかかっていたのでしょう。
内部からはフリーに開けられて外部からの侵入を防止するという鍵(一般名称では「ホテル錠」)があるのに、それを使わなかった理由は何故なんでしょうか。

これら疑問もいずれは現場調査をすることで解明されることでしょうが、現段階では以上のことから、どうも建築基準法違反だらけの建物ではなかったかと推測しています。

それにしても悲惨な事件です。

精神異常をきたした加害者の一方的な思い込みによる大量殺人事件ですが、この加害者がまともな判断ができなかったということで無罪になったりしたら、それこそ被害者は何も救済も得られない殺られただけということになりそうな気がします。

とんでもない事件や事故が日本中で沸き起こってきています。明日は我が身が、意識せざるの加害者か被害者になると思って生活していくしかないのでしょう。




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