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れれれのおじさん

Author:れれれのおじさん
長崎生まれで高校卒業まで長崎育ち。74年に建築設計の世界に入り、ゼネコンの設計部、アトリエ系の設計事務所などを、さらしに差した鉛筆一本で渡り歩いて設計を修行。86年に縁もゆかりも無い福岡で設計事務所を開設。日本の気候風土に合った風通しのいい住宅を基本に、自然素材を使った住宅造りを続けている。

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2018/06/11 (Mon) 09:45
省エネ住宅のメリットを分かってもらう方法

建築専門誌で、省エネ住宅の居住性を分かり易くするための体験談が掲載されていました。

かたやZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス 略して「ゼッチ」と呼んでいます)とかたや築20年の木造住宅のそれぞれの宿泊体験記です。立地はZEHが東村山市で都内より気温が低くなる地域です。

双方ともに同時に二人の体験者が同一場所での温湿度計を置いて、同じような生活をしてみた結果の検証報告です。

詳細は省きますが、エアコンを入れているわけでもないのにZEHが室温が終日16℃前後で推移していて、体感的に暖房を必要としないほどであった様子が載っています。

早朝の起床時には寝室の室温は13.3℃。就寝した時には14.5℃だった様子で、わずか1.2℃しか下がっていなかったとのこと。その時間に外気温を調べると-4.7℃。外気温に影響を受けないということがはっきりしました。

かたや築20年の木造住宅では早朝の同じ時間では寝室の室温が8℃で起きて着替えるのが苦痛だったとの報告です。

これ程にも差があったということに驚きです。

設計打合せの初期段階で省エネ住宅の説明を行っている折に、省エネ住宅にした場合のメリットを説明してくれと言われても、実体験が把握しづらいこともあってメリットがなかなか理解してもらえないうえに、デメリットとして省エネにするためのコストがかなりかかります。

私は潤沢な予算の住宅の設計依頼はほとんどありませんので、厳しい予算で住宅を建てる依頼者が、樹脂サッシやペアガラスなどの目に見える建材だけではなく、省エネ効果を上げるために壁内に埋め込まれている省エネ対策のためのコストに対するパフォーマンスが分かりづらいために、そのコストを減らす方向に意識が向くのはやむを得ない面もあります。

省エネにすることによって室温が外気温に影響を受けない結果、ヒートショックのリスクが劇的に下がるという医療面でのメリットを説明する手法はたびたび使いますが、依頼者が現実的に直面している問題としているものでもなければ実感に乏しいのは表情を見てもわかります。

断熱効果という代物は理解してもらいにくいものですので、今回の専門誌の実験のように、同じ時刻に生活する上での省エネ対策の有無の違いがある建物による実験値を比較検証して初めて分かるものでしょう。

旧民家の断熱材の少ない建物を建て替えて、しっかり断熱材を入れた住宅(コストの関係上、樹脂サッシは使えない高気密高断熱程のスペックは採れませんでしたが)を引き渡し後に訪ねて、生活の変化や快適さの様子を尋ねることはありますが、断熱性能の向上は意識されていないことがほとんど全ての人に当てはまります。

お尋ねして初めて、そういえば前よりも寒さを感じない。という回答がほとんどです。

しかしこれは仕方のないことで、毎日の生活の中で以前の生活とを毎日のように比べるなんてことをするわけもなく、新たな生活に人間の感覚はすぐに慣れてしまい、それが当たり前のことになってしまうのはそれこそ当たり前。

確かに高気密高断熱にすること、さらにその上のレベルのZEHにすることは、その性能を確保するためのコストは以前の1.3倍以上掛かるようになって来ています。もちろん仕様にもよりますが、ZEHにすると標準的面積木造住宅で坪単価90万円かかるケースもざらにあります。

経験からですが、高気密高断熱でもない普通に断熱材を入れた木造住宅では私の場合は、以前は坪52~3万円当たりの価格帯が多かったものですが、高気密高断熱にすると坪70万を超えるのが普通になってきています。場合によっては坪80万近くかかるケースも出てきていますし、よりハイスペックなZEHならば坪90万台になるのもむべなるかなというところです。

将来的に医療費が軽減されるというメリットを分かってもらえるような伝え方に神経を使ってきましたが、今回の専門誌のような実験データがはっきりしてくると、それをもとに説明がしやすくなるのは有難い。

その専門誌では継続してその具体的なデータを掲載するとのことで、大いに期待しています。



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