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れれれのおじさん

Author:れれれのおじさん
長崎生まれで高校卒業まで長崎育ち。74年に建築設計の世界に入り、ゼネコンの設計部、アトリエ系の設計事務所などを、さらしに差した鉛筆一本で渡り歩いて設計を修行。86年に縁もゆかりも無い福岡で設計事務所を開設。日本の気候風土に合った風通しのいい住宅を基本に、自然素材を使った住宅造りを続けている。

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2017/03/18 (Sat) 11:58
高気密高断熱住宅を目指した設計・監理でわかったこと(少々専門的な話でゴメンナサイm(_ _)m)

 今回の住宅では高気密高断熱を目指しました。

 そのことは依頼者からの要求はありませんでしたが、これからは省エネ法の改訂が続々と生じることは予想されます。

 今のところ小規模住宅に対しての規制はとりあえずは見送られているものの、外国からの圧力がかかると、特に日本を支配しているアメリカ様からの圧力には手もなくヘナヘナと言いなりになる無力な政府・官僚どもが手のひらを返すようにいきなり規制をかけることは十分予想されます。

 それはさておき、これからも住宅においての高気密高断熱住宅は取り組んでいくべきものだと私自身も思っています。一つにはやはり冷暖房や給湯等のエネルギー消費に対し、電気を極力使わない家計にもやさしい生活は必要だろうと思います。そういう思いから高気密高断熱住宅を目指しました。

 もちろん高気密高断熱住宅であっても、パッシブ効果を確保するための窓の位置や遮熱などの配慮をしていることは当たり前だのクラッカーで計画しています。

 さて今回取り組んだ高気密高断熱住宅の断熱性能としての外皮平均熱貫流率UA値ですが、設計段階では0.64W/㎡・Kになります。これは建築地である第6地域における住宅性能表示制度の断熱等性能等級4(H25年基準相当)で求められている0.84W/㎡・Kを遥かに下回っていますが、民間の推奨グレードであるHEAT20 G1の0.56W/㎡・Kには及びません。

 その理由は3つあると予想していますが、まず1つ目はアルミサッシ(熱伝導率λ=200W/㎡・K)の使用。UA値を下げるためには樹脂サッシ(λ=0.17W/㎡・K)が望ましいのですが、コスト面から樹脂サッシを使えませんでしたのでG1ほどには下がりませんでした。

 2つ目はガラスはすべてLow-E複層ガラスを使いましたが、G1レベルを目指すためには、窓の断熱性能はU=2.91W/㎡・K以下の性能が必要なので「樹脂サッシ+Low-E複層ガラス」(U=2.91W/㎡・K)以上の仕様が必要になりますが、そうなるとますますコストアップになるため、今回の予算では不可能でした。

 3つ目は、本来の高気密高断熱であれば、設計段階で省エネのエアコンの性能も設定する必要があります。その数値が出ればUA値はもっと下げられたと思っていますが、今回は依頼者が上に書いたように当初は高気密高断熱住宅を求めていませんでしたので、現時点ではエアコンの機種が特定されず、エアコンの省エネ数値を計上できませんでした。

 UA値をG1なみに下げるためには当初から省エネのエアコンの機種を設定しておく必要性がありますが、設計段階でそうした設定はイニシャルコストがかかってくるために、当初から依頼者による高気密高断熱住宅へのスペックが求められていない限り難しいかなと感じました。

 断熱の仕様ですが、断熱は、床は押出法ポリスチレンボード、壁は高性能グラスウール(外壁に金属板使用部分には+外断熱に押出法ポリスチレンボード)、屋根は外断熱で押出法ポリスチレンボードを使用しました。壁、屋根の通気工法も採用しました。

 しかしこのように図面では書けても、施工現場で感じたことは高気密を確保するための施工の困難さ。

 その設計図通りの気密性能を確保のためには、床や壁を貫通する換気扇やエアコンの冷媒配管用スリーブ、給排水配管のスリーブにはすべて気密処理が必要ですが、文章では書けても実際上はそのスリーブをどの段階で孔けるかによって気密処理のレベルの確保の確認が困難でした。

 その気密処理の確保のために施工手順もスムースに行きません。
 
 断熱材の入れ方は、大工はグラスウールの場合は気密処理の方法は目視検査段階で手慣れている様子でしたので安心でしたが、外断熱に使ったプレスチック系断熱ボードのジョイント処理は、うっかり見過ごすと隙間が空いたまま放置されていたので、断熱材をピッタリするように取り替えるか現場発泡のウレタンフォームで隙間を塞ぐよう指示したり、はたまた床の点検口は普通の点検ハッチを付けていましたので断熱仕様の点検ハッチに取替を指示したりで、それもこれも現場監督の高気密高断熱住宅への意識が欠落していました。
 
 今回ではスリーブの気密処理が大事だからということが分かっていましたので、あらかじめエアコンの取付位置を決めスリーブを開けておくということが可能でしたが、一般的によくあるように後からエアコンを購入した場合、全く気密処理をしないままでスリーブを開けると高気密高断熱住宅の性能が確保できなくなります。

 これから高気密高断熱住宅を購入もしくは新築しようと思われている方は、こういうところにご配慮ください。



 
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