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れれれのおじさん

Author:れれれのおじさん
長崎生まれで高校卒業まで長崎育ち。74年に建築設計の世界に入り、ゼネコンの設計部、アトリエ系の設計事務所などを、さらしに差した鉛筆一本で渡り歩いて設計を修行。86年に縁もゆかりも無い福岡で設計事務所を開設。日本の気候風土に合った風通しのいい住宅を基本に、自然素材を使った住宅造りを続けている。

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2007/10/03 (Wed) 13:24
5年でボロボロの鉄骨階段

以前このブログで書きましたが、私がいるマンションの外部鉄骨階段塗り替えにとりかかっていて、先日、ケレン処理(錆落とし処理などの錆止め塗装をする前の下地処理)の段階で検査をしました。

10階建ての最上階から塗装会社と管理組合の理事長と一緒に見て廻りましたが、錆の発生のひどさに驚き、直前の塗り替えは何年前にだったのかと記録を見せてもらったところわずか5年前とのこと。しかも塗料は程度のいいウレタンを使用していました。

最近の塗料はケミカル分野の商品開発でどんどん新製品が出ているでしょうが、最高の塗料としてはフッ素エナメル(FE)で、次がウレタンエナメル(UE)になります。塗り替え時期の目安として私が認識しているのはFEの場合7年~10年。UEの場合5年~7年になります。

この年数と言うのは、この期間は通常ならなんら問題が生じないということです。この期間中に塗料の劣化が見られたら塗り替えをすれば錆も生じないということだと認識しています。

この流れで行けば、UEで塗った今回の階段は5年経っていますが、それが適正な施工が行われていれば錆は発生しないか、塗り替えですので者もとの塗料がチープなものが使われていたとしてもUEの塗膜でカバーできるはずですので発錆は部分的なものにとどまるはずです。が、今回の検査で驚いたのは、ほとんど全面に錆が生じ、中には鉄骨がボロボロと崩れるほど腐食しているところもありました。

前回の塗装工事の下地処理のずさんさが数年たって露呈しています。
建築工事というものは、この例のようにずさんにいい加減にやって表面的に分からなくても、結果がすぐに出るものではないために、どうしても安い見積もりを出すところに引かれます。

丁寧な工事は高くつきますが、持ちが違ってきますし結果として安くなるということを説明してもなかなか、結果がすぐ出るものではないために、理解してもらえることが難しいなぁと感じています。

同じような例として、私が民家の擁壁工事を散歩がてらたまたま目にしたときの話しですが、2階建ての木造住宅の同じ敷地に駐車場を作っていたようです。駐車場と建物の立つ地盤面の高低差が2mくらいはあったと思いますが、その2mの高低差の土止めにコンクリートブロック(CB)を使っていました。もちろん鉄筋は入っていましたが、これとて見た目で細い上にまばらにしか入っていなかったようです。しかも使っているCBがせいぜい厚さが12センチ程度のものを使っていました。

さらに驚くことに、その土止めのCBと住宅までの距離はどう見ても1mあるかないかと言う程度でした。

建物の土圧がCBにかかっていることは建築関係者なら計算しなくても分かりますが、そのような工事が平気でされていました。

この擁壁は法的にも構造的にもコンクリートでしっかりと作らないと大変なことになるのは明らかなので、大雨の時なんか崩れるのじゃないかと心配しますが、出来て5年ほど経っていますが、いまだに崩れていません。

しかしよく見るとクラックは入りCBもすこし傾斜しているようです。この擁壁が倒壊したときは土砂も一緒に流れてしまうために、住宅もそれに引っ張られて倒壊する可能性もあります。そうなった時には、本来ならコンクリートにするべきところをCBにしたコストの差などは無視できるほどの被害額になります。

このようにいい加減な工事をやっていても、そのいい加減さが顕わになるには残念ながら時間がかかりますが、間違いなくその補修費用はかなりなものになります。

丁寧な仕事やしっかりした材料を使った仕事はコストがかかりますが、その分だけその後のメンテナンス費用は抑えれます。

建物が存在する間にかかるコストはLife Cycle Cost(LCC)と表現されますが、建築時にかかるイニシャルコストと維持管理にかかるランニングコストを合わせて考えます。

このLCCはイニシャルを抑えた建物はランニングがかかり、その反対にイニシャルコストを適切にかけるとランニングコストは抑えられるというデーターがあります。

イニシャルにコストを掛けたほうが、長期にわたってコストがかかるランニングコストを抑えられるので結果としてLCCが抑えられます。

しかし質のいい材料を選定しても施工がずさんであればその投資効果は得られません。今回の外部鉄骨階段のわずか5年でボロボロに錆びている状況を目の当たりにして、しっかりした検査としっかりした施工、しっかりした材料の3つが揃わないと、建物の劣化の速度は速くなるという教訓でした。

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