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れれれのおじさん

Author:れれれのおじさん
長崎生まれで高校卒業まで長崎育ち。74年に建築設計の世界に入り、ゼネコンの設計部、アトリエ系の設計事務所などを、さらしに差した鉛筆一本で渡り歩いて設計を修行。86年に縁もゆかりも無い福岡で設計事務所を開設。日本の気候風土に合った風通しのいい住宅を基本に、自然素材を使った住宅造りを続けている。

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2014/01/22 (Wed) 10:52
階段の話

住宅にかぎらず階段の基本形は、

真っ直ぐあがるいわゆる「鉄砲階段」または「直階段」
途中で踊り場という平らな部分を持って折り返す「行って来い階段」または「折り返し階段」
平面が円形の「螺旋階段」

の3種類があります。「」内の呼称は螺旋階段を除いて設計者が呼び習わしている名称です。
今はもっと洒落た言い方があるのでしょう。

しかし「行って来い」階段なんてのも、なんだかですね。命令かよ!とツッコミを入れたくなりそうです。

我々設計者が痛感しているのは、階段の設計は結構難しいものだということ。

階段の用途は下の階から上の階への移動のためのものだと割り切れば、避難用の外階段などに見られるような愛想の一つもない無骨一直線の生真面目路線の階段で何も文句もありませんが、しかしこれがこと住宅や店舗となるとそうは行かない。

空間内に動きを与えて変化を見せる階段は、見せ方のデザインによってその周りに与える空間の印象に影響を与えます。

村野さんも吉村さんも、当代一流と言われた建築家の階段は、詳細に見れば見るほどにデザインセンスが光っています。

もちろん階段は主要構造部としてまた避難用の主要用途として寸法も厳密に決められていますので、それらを十分満足した上での話。

一般的な住宅では、階段の段数はほぼ13段になることが多いのですが、ゆとりがある場合は14段にすることもあります。

コンパクトな住宅でよく見られる折り返し階段では、1.82m四方のスペースに詰め込むために本来なら踊り場として平らな部分になるはずのところに13段を稼ぐために段差を詰め込んで段板が扇形になっている階段をよく見かけます。

こうした手法は直階段でも見受けられます。
一般的には上がり口と下がり口は直線上にあるので13段の踏面は同じ寸法で取付ますが、階段の上がり口もしくは下がり口が横から階段に入るケースでは、その最初もしくは最後の段板を扇方にして本来ら2段分のところに3、4枚の段数を稼ぐ形がよく見られます。

この形状の踏み板は、足を載せる部分が小さくなることもあり、踏み外しの恐れもありますので実に危ない。

なぜこのような階段が許されるのかということは建築基準法に原因があります。

階段の寸法を規定しているのは、建築基準法施行令第23条に書かれていますが、住宅に特化して書くと、踏面(足を載せる部分)15cm以上、蹴上(足を上げる寸法)23cm位下、階段幅75cm以上

この寸法は最低限を決めていますが、要はこの寸法を守れば建築基準法上は違法ではないということになります。

この15cm-23cmという寸法の階段は56°以上の勾配になり、上から見ると実に恐ろしいほどです。こうした寸法は普通は屋根裏部屋とかに上がる場合に利用する梯子的な階段レベルで、一般の住宅の階段には向きません。

先ほどの話に戻しますが、この15cm幅の踏み段があればよしとすることから、危険な階段を生み出す根拠法にもなります。

螺旋階段や先ほどの扇方の階段では、段板が集中する中心になる根本の仕上がり面から30cm外に向かった所の段板に垂線を引き、その線幅が15cm以上あればその階段は適法ということになるわけです。

しかし足を載せる幅が15cmでは、子供でもない限り、足元が危険な状態であることは想像できると思います。
こうした危険な階段を平気で作り出す住宅は、住民の安全性を考慮していない住宅にほかなりません。

住宅での事故で階段からの転落は13.4%発生しているというデータがあります。

http://members.jcom.home.ne.jp/yumenoki/jiko.html

このように、階段からの転落事故を減らすためにも、安全な階段を心がけましょう。

1間四方に階段を押込めることを避けましょう。

安全に昇り降りできる階段をデザインする事こそが、プロとしての設計者の責任です。






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テーマ : 建築デザイン - ジャンル : 学問・文化・芸術

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