あけましておめでとうございます。
ことしも何の脈絡もなく、なんの社会的インパクトも与えずないブログを書いていきますので、お付き合いの程をよろしくお願いします。
さて政治の話から。
自民党が念願かなって政権に復帰。無能だった野田豚は消えていなくなり、予想どおりに自民は原発再開、電力会社救済、公共事業に大金をはたいて国の借金なぞ糞食らえ的な体質を顕にしましたが、このことを予想しなかった国民は少なかったはず。
まあ、民主党の豚や枝野をはじめとする無能連中の期待を裏切り続けた結果のことだと、あきらめますか。
それにしても、自民党の腐りきった体質が嫌で政権交代させたはずなのに、わずか3年でもとに戻したのはいいとしても、何も変わっていなかったってことですね。ヤレヤレ。
建築業界は、地球温暖化対策として新しい法律がどんどん作られてきています。最新の法律が「低炭素住宅認定制度」というもの。
これは住宅が消費するエネルギーをより少なくしていこうという考えのもので、消費エネルギーの低減化を図る対策をした住宅には様々な減税の恩恵を与えようと言うもの。長期優良住宅をより細かく規定したものです。
長期優良住宅や今度の低炭素住宅認定制度などなどを見ると、住まいはますます消費エネルギーを抑えるための設備機器に頼らざるをえないようになっています。
建築費はどんどん抑えられる中で、こうした消費エネルギーを少なくするための設備工事費へのコストは右肩上がりで、いまや工事費のなかでは、建築基準法で決められている基準を満たすための設備をまず先に押さえ、次に構造で安全であることが確認できるための構造コストが取られ、残されたコストでやっと意匠に使えるという状況に近くなりました。
私の場合という前提。
そういう我が現実を見回すと、雑誌に掲載されているような豪邸やビルなど、一体どれだけの予算がつぎ込まれているんだか全く検討もつきません。
若い頃からローコストほど建築家の才能が現れると信じてきましたが、いまやそんな綺麗事は通用しないという悲しい現実も痛いほど経験し、やはり世に出ている著名建築家の設計した建築は、私の携わってきた実務からは掛け離れた恵まれた予算であることは間違いがありません。
建築家の好きな打放しコンクリートを例にあげても、安藤忠雄の鏡のような綺麗な打放しを実現するためにはどれほどコストがかかるのか、数多く経験しました。
打放しは素人目にはチープに見えるようですが、工事費にも維持管理にももっとも金のかかる建築だということは、我々の常識。
最近はあまり見かけなくなりましたが、アルミパンチングメタル。
長谷川逸子さんなどが未だに多用していますが、これも私にとって見ればびっくりするくらい高額な材料。
住宅では極力アルミサッシではなく木製窓を使いたいと思っても、コスト比較をするとアルミを採用せざるを得なくなることはイヤというほど経験済。
建築雑誌に掲載される、木製建具をふんだんに使った住宅が醸し出す柔らかい空間に、その距離の遠さにただただため息が出るばかり。
外壁の材料を選択する際、外観のシンプルな印象をキープしたいと塗り壁を選択したくとも、結局サイディングを採用せざるを得なくなった時の度々の無念さは枚挙に暇が無い。
そんなこんなのローコストに悪戦苦闘するなか、村野藤吾さんが依頼者から先生の好きなようにデザインしてくださいと依頼されたというようなことを目にすると、そこまでの極みに至った建築家に比べるまでもなく己の無能さを思い知らされます。
しかし、たしかに歴史的に見てこのような砂のなかのダイヤモンドの天才が世の中のリードオフマンですが、グローバルな世界を動かしているのはその他の圧倒的大多数の砂である無名な市井の人々。
その無名の民である私も、世の中に対して無限にゼロに近い能力であっても人の役に立っているというインセンティブがあればこそ仕事に向かうことができます。
今年も、この様に凡庸な私でも一生懸命汗をかいて、信頼していただけるような仕事をしていきたいと思っています。
最後に、昨年、尻拭いをして納期に間に合わせるために睡眠を削りほぼ終日パソコンの前に座ったっきりで仕事をし続けて目の下に隈を作って、ひょっとしたら倒れるかもという精神的にも肉体的にも極限状態の時、こんなきつい思いをしてもタダ働きをしている己のお人好しさ加減に腹を立てて母にぼやいた所、母から言われた下の言葉で持ちこたえることができました。
「そいやっけん、仕事の来るとさ。」
(訳:そんなお人好しだから、仕事が来るんだよ)
今年も、よろしくお願いします。
m(__)m
スポンサーサイト
コメントの投稿