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れれれのおじさん

Author:れれれのおじさん
長崎生まれで高校卒業まで長崎育ち。74年に建築設計の世界に入り、ゼネコンの設計部、アトリエ系の設計事務所などを、さらしに差した鉛筆一本で渡り歩いて設計を修行。86年に縁もゆかりも無い福岡で設計事務所を開設。日本の気候風土に合った風通しのいい住宅を基本に、自然素材を使った住宅造りを続けている。

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2011/05/16 (Mon) 08:14
石場立て工法概説

一般的な木造住宅の土台というのは、105~120ミリ四角の木材を基礎コンクリートの上に並べて基礎とアンカーボルトで緊結させ、その土台の上に柱を載せる方法が取られています。

この方法のメリットは、柱の位置出しが簡単なことと木材を組み立てる時の固めやすさということもありますが、デメリットは、そもそも木材に一番強度がある繊維方向でなくその直角方向に柱を立てる関係上、その重みで柱が土台の中に僅かでも食い込むという現象が起きます。

柱からの応力は土台→基礎→地面と流れていくことはお判りでしょうが、食い込みが生じることで応力のすべてが地面まで伝わらずに一部の応力を土台が吸収してしまうことになります。この応力はどこにも伝わらず解消されない内部留保の状態のまま存在し続けます。
したがって地震時の過大な応力が作用したときに内部留保の応力を抱え込んだままの土台が耐え切れなくなり、割れたり破損するというケースが見られるのはこのことが原因だと考えらます。
柱が土台から抜けることを防ぐための金物(ホールダウン金物)が義務付けられていますが、土台のこの現象はこの工法では防げません。

それに対して石場立て工法はどんな工法なのか。

木材の繊維方向の圧縮強度はコンクリートに引けを取らないことは実験的に実証されています。簡単に描くとこの木の繊維方向に持つ本来の強さを生かした工法が「石場立て」という工法です。

この工法では柱は石やコンクリートに直に載せられます。
土台の上に載せる方法ではないので柱の位置出しに技術が要求されます。土台があればあらかじめ柱が乗るところにほぞを切り込んでそこに柱を立てるわけですが、石場立てでは、あらかじめ柱の位置のことろに石やコンクリートを正確に置く必要があります。この位置出しが狂ったら構造として成り立たなくなります。

柱の下に石が正確に置けても、柱を組み立てる時には土台のように柱の根元を固定するものがないために不安定な状態になります。そのために柱の間を貫という横方向の材木で固定させます。これが固まらないと上を固めることができません。

柱の根元を貫で固めるといっても貫そのものも柔軟性がありますので、当然上部の耐震性を確保する工法としては従来の構造用合板のようにいわば木造における壁工法的な作り方は不適切であり、貫工法もしくは筋違工法となります。

ここまで書くとこの石場立てという工法は、一般的な基礎工法と比べると手間暇がかかることが容易に予想できることと思います。つまりコストがかかるということになります。

私は残念ながらいまだにこの石場立ては実現したことはありませんが、いつかはチャレンジしてみたい工法です。

でも我々の仕事は依頼者に了解していただかない限りは、いくらこちらでこの工法を進めても実現不可能です。著名建築家のように自らの思いのままに取り組むことを依頼者が認めている、あるいはそのことを期待しているケースもあれば、依頼者には何の了解も得ずに勝手に自らの判断で決めてしまうような悪質な設計者も存在するでしょうが、依頼者の意向を最大限尊重すべきという当たり前の気持ちで取り組んでいる私としてみればそんなことはとてもできる相談ではないものですから。

建築は芸術のカテゴリーに含まれていますが、絵画や彫刻などの作者の自らの感覚で創作できる純粋芸術と違うことは、このように依頼者が存在しない限りは何物も実現できないというところが厳しいところですね。
親が金持ちでもなく高学歴でもない建築家がデビューするきっかけとしては、身内、親戚、もしくは自宅を自らの設計理念を込めて作った住宅を雑誌やTVで取り上げてもらって、そこから依頼をしてもらうというケースがほとんどです。

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