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れれれのおじさん

Author:れれれのおじさん
長崎生まれで高校卒業まで長崎育ち。74年に建築設計の世界に入り、ゼネコンの設計部、アトリエ系の設計事務所などを、さらしに差した鉛筆一本で渡り歩いて設計を修行。86年に縁もゆかりも無い福岡で設計事務所を開設。日本の気候風土に合った風通しのいい住宅を基本に、自然素材を使った住宅造りを続けている。

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2014/11/30 (Sun) 11:14
省エネのための改修-2

 前回は窓ガラスの種類を説明しました。

 断熱改修でのポイントは窓の断熱性能を向上させることが効果的だということが、お分かりいただけたと思います。

 では窓の改修方法はどうすればいいのかという話になりますが、方法は3通りです。
①.内窓を追加する 
②窓のサッシを更新する 
③窓ガラスを交換する

②では、
a.サッシを取り替える
b.既存のサッシ枠を残したまま、新たなサッシを取り付ける(カバー工法)

の2通りの選択肢があります。

①.内窓を追加する方法
 樹脂製の内窓サッシを取り付ける方式が望ましく、防犯、防音対策にも効果的です。 この内窓を障子にしても効果があります。和紙が貼られた障子は、それ自体が保温性を持ち、結露防止に有効です。吸音性もありますので、防音効果も意外に有効です。
障子をつけると和風のイメージになってしまうのではという懸念もあるでしょうが、洋室にも違和感なく溶け込みますので、内窓の種類の一つとして候補にあげてもいいのではないでしょうか。ただ、樹脂製のサッシと違って既成品はそれほどありませんので、現地に合わせて作成するという工事が若干必要になる欠点はあります。そうしたことから樹脂製サッシより割高になります。

 障子を含めた内窓を取り付ける場合、取り付ける下枠、床などに対する荷重が増えますので補強が必要になるケースも出てきます。また、内窓を追加したことにより、今まで結露が発生しなかった非暖房室の壁隅角部などに結露が発生する可能性があります。

結露対策の場合
・石油やガスのファンヒーター、石油ストーブ等の開放型暖房機を使用しない
・空気中の余分な湿気を排除するため、連続換気を行う
・断熱強化を行う
・過剰な加湿を行わない

などの注意が必要になります。

しかしこの4つは健康的で快適な生活を営むための基本的な項目です。

②-a.サッシを取り替える方法
  窓まわりの内外装や窓の額縁などの取外し等の工事が必要になりますので、内外装工事を伴う大規模リフォーム工事時に行うことがお勧めです。

 出来上がりは新築時と遜色ない状態に仕上がりますが、サッシとの取合い隙間を現場発泡ウレタンのスプレー缶タイプなどで完全に充填することを忘れないようにしましょう。また、このケースも窓台などの強度を確認する必要があります。強度不足の懸念があれば補強工事が必要です。

②-b.カバー工法
 既存のアルミサッシ枠を利用しますので工事自体は短時間ですみますが、既存サッシと工法的に合うかどうかの検討は必要です。既存サッシと同じメーカーであれば対応は可能なケースが多いようです。
 この工法では、既存サッシの内側に新たなサッシの枠が取り付くことになりますので、今までの開口寸法から左右上は50㍉から70㍉、下部は70㍉から100㍉ほど小さくなります。(アンダーライン部分の寸法はメーカーと窓のサイズによります。)

③窓ガラスの交換
  枠がアルミのままになりますので、断熱性能向上は限界があります。サッシ枠に結露が生じます。又、枠の交換がありませんので気密性の向上にはなりません。複層ガラス以上の効果を求めるのであれば、内窓追加の方法がお勧めです。

窓ガラスを複層ガラスに交換する場合、アタッチメント方式で取り付ける事になりますが、サッシ形状によってはクレセントが締められなくなったり網戸が取り付けられなくなりますのでご注意ください。

この方式では耐風圧強度の制約上、3階以上の窓には使用できない場合がありますので注意が必要です。

今回はここまで。



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2014/11/26 (Wed) 17:06
省エネのための改修-1

今や人が生活する上でCo2を低減化することよる省エネルギー化を計ることが世界的なテーマになっています。そのための京都議定書というもので各国にCo2排出量を制限する割り当てが決められましたが、最大のCo2排出国の中国とアメリカが参加しなかったこともあり、結局絵に描いた餅になってしまいました。

 しかし我が国ではこれをキッカケにして省エネルギー法(以下「省エネ法」)というものが制定され、建築物の消費するエネルギーを低減化することによるCo2排出量の削減化に取り組みました。

 新築の場合は当初から省エネルギー対策が計画的に行えますが、1980年より以前に建てられた建物は省エネのレベルが低いことが明らかなので、その年代の建物の断熱性能を高めることが断熱改修のテーマとして挙げられています。

 建物のエネルギーロスは窓などの開口部からが最大で、冬場ではなどの開口部から48%の熱が逃げています。次は外壁から19%、換気扇などの開口部から17%、床から10%、屋根から6%となります。このデータから見ても窓は外壁の2.5倍の熱損失が生じていることがわかります。このことから窓の断熱性能を上げることが何よりも重要だということが分かります。

 そして、断熱性能を向上させる目的は省エネルギーもその一つですが、結露防止も大きな目的になります。

 壁の表面に結露することを表面結露といいます。ガラス面にびっしりと水滴が付く状態を言いますが、ガラス面だけではなく壁に貼ったビニールクロスなどの呼吸をしない建材にも結露が生じています。その結露を放置するとカビなどが発生し、結果的に人体に喘息やアトピーなどカビに拠るアレルギー症状を起こすことになります。

 この結露。表面だけでもこれだけ厄介ですが、さらに恐ろしいのが壁の内部に生じる内部結露も起きています。

 表面結露は目にするとウエス等で取り除けますが、この内部結露は壁内にできるので、取り除くことは出来ません。その内部結露を放置すると、カビも生じるし柱や土台、梁などを腐らせ、建物の強度低下をまねきます。

 これだけ上げるだけでも断熱をしっかりとすることは、省エネルギーだけでなく建物の維持と人の健康のためにも必要だということがお分かりになると思います。

 今や窓もガラスが二枚になっている複層ガラスや、Low-E(Low Emissivity「低放射」)複層ガラスが採用されるようになってきました。このLow-E複層ガラスは、その内部のガラス面に特殊な金属膜を塗った製品で、その金属膜を塗ったガラスを外側にするか内側にするかで寒冷地と温暖地の使い方が違います。使い方を間違えると効果が出ませんので注意が必要です。

 次回はこの続きを書きます。



 


2014/11/19 (Wed) 16:57
So long  健さん

高倉 健さん

 福岡出身ゲナ。残念ながら長崎じゃなかとです。

昨日 高倉健が亡くなったということは、仕事から帰ってきた妻から聞いて驚きました。

有名人が次々に亡くなるのも順繰りなので仕方がないとしても、さすがにちょっとショックでした。

 スクリーンの上の健さんに憧れたわけでもありませんが、役柄と実像がほぼ同じのような人だったそうで、寡黙で実直なそういう人になりたいと思ったのも事実です。

 撮影の間、椅子に座らなかったという話はビートたけしが暴露して本人は迷惑がっていましたが、事実だそうな。実にストイックで自分に厳しい人柄のようで、だから役者のなかでもレジェンドになったんでしょう。

 エラぶらず細やかな気を使う人だったという記事を見て、やはり何かが違う人でしたね。

 惜しまれながら亡くなるということも私の目指すところです。

 最後の映画になった「あなたへ」の原作を読み、そして健さんが主役ということで映画も見ました。小説が元の映画はほとんどが原作を超えられないのですが、健さんの役者としての力量もあり、さすがにしみじみと心に染みました。不世出の俳優です。

 so long  健 さん

 ご冥福をお祈りします



 

2014/11/09 (Sun) 09:32
住宅内の段差

  今やバリアフリーが常識的な設計スタンスとなった様相を呈していますが、このバリアフリーを一括りでわかりやすくすると建物の内外における段差解消をすることで、高齢者や身体不自由者、お腹が大きくなって足元が危ない妊婦さんにとって安全な環境を作り出そうという事が狙い。

 さてそこで住宅の話に絞りますと、そもそも日本の住宅では日本人の生活に切っても切れないのが、住宅内では靴をぬぐということ。これはベッドで寝る時以外は靴を脱がないというひたすら悪臭プンプン鼻曲がり的かつ水虫大喜びの足ムレムレ生活に慣れきった欧米諸国にない清潔な生活が延々と継続されてきています。

 玄関という室名は日本だけの呼称のようで、靴を脱がない諸国では、外から室内に入る「入口」という意味でしかないENTRANCEという名前が付けれられています。これじゃ我が国じゃ正面玄関も勝手口も全て同じに捉えられかねません。

 その意味でも、日本語での「玄関」という呼び方は非常に理解しやすい。

 今日はその話ではなく段差の話。
 
 玄関だけはバリアフリー法でも段差は止むを得ないとしています。そのことは我が国の建築や生活のあり方からしてあたり前でしょうが、あたりまえだから何の工夫もいらないと考えたらならこれはプロして失格。

 躓くのは段差が意識されない程度の寸法がほとんどです。住宅内でよくある和室と洋室の敷居は以前は3cm程度の差をつけることが多かったものですが、なぜその寸法なのかということは昔からそうだったというような程度の認識でしか無かったのではないでしょうか。で、その3cmの段差が結構お年寄りにはつま先が引っかかっれ転倒することになり、下手すれば骨折して寝たきりになる恐れがありました。そこで、段差を意識させるほうがむしろ安全ではないかという考えがひろまり、腰掛けられる30cmから45cm程度の段差のほうが使いやすいのではないかという学説もでています。

 それくらいの段差であれば、一旦腰掛けてから移動できるというメリットも有り、また段差を利用して収納が出来る工夫も可能です。これは玄関でも同様。

 しかしさすがに玄関ではそんなに大きな段差をつけることはほとんどありませんが、やはり玄関ということで靴を脱ぐ行為が出ます。その際の体を安定させるための手摺や格納可能なベンチなどを設けることも必要です。しかし注意が必要なことは、利き腕や同居されるご家族のどなたかの体に麻痺が出ていないかどうか。

  そうしたことを聞き取った上で、ベンチや手摺の位置も決めましょう。

 これは玄関にかぎらず、住宅内で段差がやむを得ず生じる場所、例えば浴室や階段にも当てはまります。浴室への出入りは、まだまだ段差が付いている住宅が多いことでしょう。その場合、入口横に手摺、浴槽に入る場合の手摺など、居住者に聞き取りながら決めることは必要です。そして、特に階段の場合、幅や手すりの高さ、取り付け位置等、様々な情報を把握して決めないと、とても危険な場所になります。

 階段の幅は建築基準法で決められていますが、住宅の場合は75cm以上となっています。以前、足を載せる「踏面」と「一段の高さ「蹴上」が同様に法律で最低寸法が決められていることを書きましたが、この75cmと言う数字はどこから来ているかというと、木造の木割寸法から来ています。

 一般的には階段幅は半間(3尺)に収まるように設計されます。木造の在来工法では1尺は30.3cm。3尺は90.9cmで、これは柱の芯々間の寸法ですので、これから仕上げ材などを引いていくと、材料の厚みは様々ですが、おおよそ76.5cmが最小寸法に近くなります。それがこの75cm以上という寸法が出てきた理由になります。

 階段に手摺を付ける義務が法改正で出てきましたが、壁から手摺端部まで10cm以下であれば、手摺の出寸法は無視して構いません。階段の両側に手摺を付けても、その手摺が壁から10cm以下の出寸法であれば、階段の有効幅は壁と壁の間で75cm以上あれば建築基準法違反にならないということです。

 両側に手すりをつけることで実際の有効幅が狭くなるということによる建築基準法からの逸脱よりも、居住者の安全を考慮して、少々の寸法減は目をつぶるという対応です。

 75cmと言う寸法は最小寸法ですのでこれより大きくすることには法的には問題ありませんが、体に不自由が生じた時の手摺の捉まり方が問題になります。体の自由が効きづらくなった時、階段の上がり下りは手摺を頼ることになりますが、階段の幅が広い場合、両方の手摺をつかまりながら階段を利用する行為は困難になります。

 人によっては両手で手摺に体重を乗せながらゆっくり降りることもあるかもしれません。したがって広ければいいという発想だけで階段の寸法を決めるのはとても片手落ちになるということになります。

 居住者の現在の状況を正確に把握すことが最低限必要です。また、高齢者が同居される場合、将来の身体不自由を予測し、手すりが付けられるように壁内部に補強用の合板を予め付けておくことや、階段の手すりの場合、記のような利用され方では体重がかなり掛かるということを考慮し、丈夫な手摺を選定しておくことが大事です。

 バリアフリーと行っても、玄関を除き段差をゼロにするためには工夫とコストが必要になります。

 以前のように床にレベル差を設けて空間の変化を設けるという手法はとても魅力的ではありましたが、高齢時代になった今、設計者のそうした思い入れで安全性を無視した設計をしないように自重することが求められています。

 意識の高い設計者であれば、依頼者が要求しなくてもそうしたことへの配慮や問い合わせを行うことでしょう。

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