我が家の20歳になるオババ猫が、この一月で急激に体調を崩し、今、後数日という状態になっています。
わずかひと月前には相変わらず食欲が旺盛で気の荒さも若い頃のままの猫でしたが、あるとき妻が食事を残すようになったと言ってからあっという間に坂道を転がり落ちるように食事も取らず水も飲まず、ひたすら寝てばかりの状態に陥ってしまいました。
昔とは打って変わったガリガリ状態になり病院に連れて行ったところ、リンパ球にガンが見られるとの所見でした。年齢的にも体力的にも手術は避けたほうがいいとの所見。
今月いっぱいもつかどうかという獣医の見解を受けて広島、京都、大阪にいる娘共に今月いっぱいは持たないかもしれないと妻から連絡したところ、急遽、全員がオババ猫に会いに遠路はるばるやってきました。京都の娘は幼い長女と生後3ヶ月の乳児を連れてきました。
オババ猫のお陰でそれこそ十数年ぶりというくらいに家族全員が顔を合わせることが出来て、それはそれで嬉しい事でした。彼女らは一泊して帰りましたが、さつき(オババ猫の名前です) に会えて良かったと言いながら帰って行きました。
このオババ猫の気の粗さは、娘たちがこれが犬だったら大変だったねというほど。
私もこの猫の気の粗さを好ましく思えなく、どちらかと言うと嫌いでした。私にも何かちょっと気に入らないことがあるとシャーっと威嚇すること度々。そのくせ腹が減ると早く食べさせろと言わんばかりに大声で威嚇するように鳴きわめ来ます。
私の電話中でも打ち合わせ中であっても一向に気にしなく(猫だから仕方ないですが)、そのたびに相手が驚くほどでした。
対照的にもう一匹の元ギャル猫は性格が温厚で臆病なので鳴くこともあまりなく、人が来ると何処かに隠れてその人が帰るまで絶対に姿を見せません。
そんなオババ猫を好ましく思っていませんでしたが、さすがに今の痛々しい状態を目の当たりにすると、毎日、点滴を受けさせることも厭いません。
昨日は黒い便が出たので驚いたところ、医者からガンの細胞が弾力がなくなった血管を破ったようで長生きした猫の最後の方に見られる症状とのことでしたが、ついにここまで来たかというような話でした。
それでも便を垂れ流さないで懸命に起き上がってヨロヨロしながらでもトイレにいく必死の姿を見ると、ついつい涙が出て来ます。その姿に、オババ猫の気の強さが出ているようです。
さつき、よく頑張ってるよな。ほんとうによく頑張ってるぞ。
ペットロス。
どうもそれに罹りそうな予感です。いまでも涙が出そうです。

元気な頃のオババ猫

やせ細ったオババ猫