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れれれのおじさん

Author:れれれのおじさん
長崎生まれで高校卒業まで長崎育ち。74年に建築設計の世界に入り、ゼネコンの設計部、アトリエ系の設計事務所などを、さらしに差した鉛筆一本で渡り歩いて設計を修行。86年に縁もゆかりも無い福岡で設計事務所を開設。日本の気候風土に合った風通しのいい住宅を基本に、自然素材を使った住宅造りを続けている。

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2013/08/26 (Mon) 03:39
近所のコンクリート打設現場を見て

異常なくらいの暑さが続く中で、近所に建つマンションの現場でコンクリート打設が行われているのを目撃しました。

カンカン照りの状態の中でのコンクリート打設です。

専門家ならこんな陽気でコンクリートを打つならどういう対応を取らなきゃいけないかは十分承知の上での話ですが、一般の方は、熱くてカンカン照りのほうが早く乾いていいのじゃないかと思われているようです。

これは規模の大小にかかわらず、住宅の基礎のコンクリートも同様ですが、工程上、どうしても真夏にコンクリートを打たざるをえないことは避けらないケースも多々有ります。

御存知の通り、コンクリートはセメント、砂利、砂、水を混ぜ合わせて流し込み固める建材です。もちろんそこには鉄筋がないと強度が不足してしまいます。

その水で練ったコンクリートにはヒビ割れがつきものです。

このヒビ割れを無くす方法を業界でも模索しています。書物で読みその知識を持とに実践しますが、これがなかなか思うように行きません。

コンクリートは生き物だとつくづく感じさせられることが多い。

セメント、砂利、砂、水の量をJIS認定のコンクリート工場で試し練という作業を確認し、実際の現場でその通りのものを納入してもらうという仕組みになっていますが、これとてコンクリート工場から現場まで運搬する間の気温や現場搬入までの時間に係る交通事情等による影響がコンクリートに生じます。

もちろんそのことを見越して工場側で練り合わせる訳です。
その工場で練ったコンクリートを現場まで運ぶ専用車両がミキサー車です。運搬中にコンクリートが固まらないように耐えずコンクリートが入っているドラムをクルクル回しながら走ります。

現場で受け入れるときは、配合は工場に任せていますのでスランプ測定と言ってコンクリートの柔らかさを測定します。他にも諸々の検査を行い、問題なければそこで初めてコンクリートを型枠という合板で構成された中に流し込みます。
このことをコンクリートを「打つ」と言います。

流しこむ前に検査しないといけない大事なことは、鉄筋と型枠間の寸法(「かぶり厚」といいます)を測ることです。
これは建築基準法で決められた寸法がありますが、寸法が不足すると構造体としての強度に大きな影響がでます。

それほど古くないのに壁や柱、梁に筋状のものが見えるケースが有ると重いますが、これは被り厚が不足しているケースです。
被り厚が不足すると空気中の湿気をコンクリートが吸収して(仕上げをしていないコンクリートというのは近づいてみると穴がたくさん見えます。それは水分が抜けた跡のものです。)その水分で鉄筋が錆びて鉄筋の強度低下を招来ます。それを防ぐためにアルカリ性であるコンクリートで鉄筋を守っているという構成になっているわけですね。

実にうまく出来ています。

さて話の続き。

コンクリートを打つときどんどん流せばいいというのじゃなく、単位時間あたりの量が適切じゃないとコンクリートの中に空気が大量に混ざってしまいます。それが確保され、しかもコンクリートの中に含まれている空気を出すためにバイブレーターという器具を使い振動させて空気を表面に出します。

このバイブレーターもかけ過ぎると今度はせっかく練り上げたコンクリートの各材料が分離しますので、これも適切という曖昧な表現で作業せざるを得ません。本当は何センチおきに一箇所あたりの秒数も目安としてありますが、大人数で作業している時には、現場監督に指示していてもなかなかそれが守られにくいことも事実。

適切なコンクリートの打設が終わったら、「養生」というコンクリートを数日間、寝かせます。
実際は見た目には翌日から固まっていて上を歩くことも出来る程度になりますが、設計で要求されている強度が出るためには季節によりますが、冬場なら8日間は型枠をはずさないように決められています。梁などの構造強度に影響する部分を支える支柱は気温0°なら28日間、外しちゃいけないことになっています。

なんでも例外ってのはあって、コンクリートの圧縮強度が決められた数値以上がでれば外していいってことも書いてあります。

しかし、ここが最大の問題。
まずこの養生期間が守られない。養生中にコンクリートが早く乾燥しすぎないように湿潤状態にしないといけないのが守れらない。

工期を急がされている現場、工期が伸びると利益も落ちるので儲けを減らしたくない現場では、この決められたことを守らないでさっさと型枠を外してしまうケースが設計事務所などの第三者の監理者が存在しない現場ではよく見られます。

強度が出ていないコンクリートは豆腐みたいなものです。
ちょっとした地震でもヒビが入ったり、地震が来なくてもコンクリートが固まるときに出す水和熱でヒビが入ります。

コンクリートってのはこのことだけでも非常にむづかしい建材だということがおわかりいただけると思いますが、それでもいろいろな形が作れるので、設計するものとしては魅力的な構造体だということも。

彫刻的なコルビュジェのロンシャンの教会もコンクリートであるからこその建築です。
安藤さんの一連の打放し建築も同様。

コンクリートって真剣に取り組むととてもとてもむづかしい建材だということが簡単に書きましたが、おわかりいただけましたでしょうか。

でもいろいろな形が作れるという建材でもあるので、魅力的でも有りますね。




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2013/08/10 (Sat) 07:46
ある夏の夜に猫が

とある夏の夜、家の猫が何が気になったのか、TVの画面をずううっと見つめているなーと思っていた所、突然立ち上がり、この状態に。

あのネ、も少し離れてみないと眼に悪いよ。

(黒い猫なのでどこに居るかわかりづらいと思いますので、画像をクリックしていただければ拡大します。)

TS3W0215.jpg



2013/08/04 (Sun) 10:08
メンテに配慮の設計が必要

相変わらず改修工事ネタですが、改修工事でとてつもなく手間隙がかかる、つまりコストがかかる設計をするとこうなりますよという警鐘の意味もあり、自省も込めています。

とある公共施設での事。

それはそれは豪華絢爛、凸凹多数、バブル真っ盛りにも公共施設はここまで金をかけられたのかと思うほど。
そうは言っても建築的には魅力を持てず、ただただその豪華さにスンゲーと感嘆詞が出るだけ。

その豪華さを枚挙すると。
施設エントランスホールには床・壁・階段の床壁とも大理石。キッチュかなとおもいきや、これが本物。

その階段。踏面がRです。もち蹴上もR。
石は曲がるものじゃないってことは、どうすればRになるかって言うと、石を削って最終的にR状態にするんですね。
要するに途方も無い無駄が出た挙句の自己満足としか思えないデザイン(と、大理石なんぞ使ったこともなく、石をR加工するなんてことをしたらお前は馬鹿かと罵倒されそうなくらいのローコストで必死にデザインしている者のヒガミ・・)

とにかく、そのホールの壁・天井ともどもプレーンな面がなく、とにかく凸凹凸凹の繰り返し。

外部のカーテンウォールも、デザイン優先、その後のメンテなんざ全く念頭にないってことは売名行為に走る設計士にありがちな姿。雨漏りのしそうなディテールのためか、あちこちから漏水とのこと。

そのサッシの漏水対策もさることながら、改修工事のメインは屋内プール壁のタイル補修。

そのタイル、特注品でしかもサイズが4種類。
特注だけに納期がとてつもなく係る。

もっと驚くことは、そのプールの天井は膜構造ですが、その膜に対して間接光として照射できるように水銀灯が10基付いています。

7mの高さに。

当たり前の感覚の設計者なら、球切れのときどうすんの?と思うはず。

空中に浮かぶ術をその設計者は持っていたんでしょうが、普通の人は浮かべないから、脚立か足場を組むしか無い。
7mの高さまで脚立で登るなんて、高所恐怖症の私にはとても出来ない相談です。

つまり後々のメンテナンスを全く考えていないデザイン優先だけで設計したってのが明らか。

スクラップアンドビルドの時代なら不便だから建て替えろってことになった時代が長く続いたんですが、いまや建物を修理しながら長く使おうというように、この国もやっと当たり前の感覚になって来ました。

まあ、そのために新築の依頼が激減したって事実も有りで・・・

新築と違うノウハウが改修工事には必要であり、それも建物の種類で千差万別ってことも有り、なかなか一つのフォーマットで対応できるものでもないってことも学ばされています。

こんな設計しちゃイカンわなーってことも、勉強になります。

組織にいる設計者はこんな無茶な設計していても責任を感じることがないんでしょうか。

私のように個人事務所では、もろに評価に影響します。
設計依頼を受けたからにはそれなりの提案をするのが業務としても、使用者にとって不便な思いをさせるような設計をしてしまったら、責任重大だという認識はいつも持っています。

設計の際にクリアしなきゃいけないことは様々な法規制がうんざりするほどわんさかありますが、利用者がどうメンテするのかということに対する配慮も忘れちゃいけないことだということを実感させられます。

2013/08/01 (Thu) 08:29
集合住宅考

ホームページがとんでもないことになって数日経ちますが、未だに手が付けられません。
しかし、災い転じて福となす、転んでもただでは起きないという強いメンタルをもって、これを機会にホームページビルダーから足を洗い、ブログでホームページを作ろうと意を決したわけですね。
(そんなに大げさな・・・・)

ところで新聞によると、都心部では消費税増税前の住宅着工件数やマンション販売が活況を呈しているそうな。
相変わらずの蚊帳の外ですが、マンションをあまり設計しない私には新聞折込に入ってくるマンションのどれもこれもが似たよりよったりのプラン。

おお、これは新しい、と思えるプランに出会うのは数年に一回あるかないか。

その最大の原因は、容積目いっぱいのボリュームをデベロッパーからの要求に設計事務所が必死になって応えようとした結果。部屋数が多ければいいという購入者かデベロッパーの要求か解りませんが、相変わらずのnLDKというステロタイプに囚われ、窓もない部屋が真ん中にできてしまうことが多い。

居室にするなら窓がなければ他の部屋との続き部屋扱いにする必要が有るため、そのほとんどが4.5畳程度の和室。これ、良くて寝室。普通に考えれば納戸にしかならない。というのも、今いる築39年目の我がマンションのプランがまさにそれ。

3LDKといっても、そのうちの一部屋は窓なし。納戸にしかなりゃしない。
だから事務所の書類置場になっています。事務所ならばそれなりに使えても、住まいとしたら、ただでさえ狭い住宅を部屋数稼ぐための部屋。そんな部屋を付けないで広く使えるようになんでしないのかなーと、新聞広告のマンションプランを見ながら、毎度の思い。

集合住宅の新しい提案は、ほんとうに難しいでしょうね。

とある女流建築家が総ガラス張りの集合住宅を設計したのが雑誌に載っていました。

そりゃかっこいい。でも私は住みたくないと思いましたね。

丸見えじゃ家の中でグターっとした格好できませんもの。

やはり、適当な壁は必要でしょう。住宅でも。

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