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れれれのおじさん

Author:れれれのおじさん
長崎生まれで高校卒業まで長崎育ち。74年に建築設計の世界に入り、ゼネコンの設計部、アトリエ系の設計事務所などを、さらしに差した鉛筆一本で渡り歩いて設計を修行。86年に縁もゆかりも無い福岡で設計事務所を開設。日本の気候風土に合った風通しのいい住宅を基本に、自然素材を使った住宅造りを続けている。

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2012/11/12 (Mon) 07:55
石場建ての実大実験記事について

今まで溜まりに溜まっていた定期的に購読している専門誌を、仕事に余裕が出てきたので少しずつ読み始めました。
その中で、日経アーキテクチュアーの10-25日号に「伝統構法住宅実大振動実験」の記事が目に入りました。

今の改悪基準法(以下「悪法」)では建築を様々な規制でがんじがらめにして、自由に建てさせないぞという国交省の学業優秀自己中官僚どもが姉歯事件をきっかけに鉛筆なめなめして法律を締め付け、その結果、国内で建築が新築のみならず増築もできにくくなったので製造業の工場が国外に移転するきっかけを作ってしまったという事実に対して無能な烏合の衆である国は目をつぶっていることはさて置いて、今の悪法では建物の土台は基礎に緊結しなさいと決められています。

これ以外は確認を出しても審査しない、いわば建築基準法の審査対象外ということ。

それに対して、伝統的建築を手がけてきた町場の工務店は猛反発したのは数年前。

猛反発したまでは良かったものの、それから後が情報が入って来ませんでした。

以前、「石場建て(基礎となる石などの上に、柱を直接立てる工法。「土台」という素材は存在せず、「貫」という材料で柱間をつなぐ方式)」で建てたいと構造事務所に相談した所、其の方法では確認が取れない。柱の一本一本にアンカーボルトで石に固定させないといけない、と教えられ、それはあまりにも手間もコストもかかりすぎると断念しました。

石場建てにしたいと思った理由は、柱は繊維方向、つまり立ち姿のまま利用するほうが強いに決まっています。
今の法規では、木材を横に寝かせた「土台」というものに柱を差し込んで建て上げる方法が主流。その「土台」と基礎をアンカーボルトで緊結させてガッチリ固めるというのがいまの「悪法」以前からの建築基準法の考え方。

単純に考えても、横に寝かせた木材の繊維方向に対して直角に重力をかけたらどうなるか分かりそうなもの。
土台の材質にもよりますが、桧や栗(高価過ぎて使ったことはありませんが)、ヒバなどの硬質な木材が一般的(ごめんなさい、栗はごく一部のお金持ちのための建材になっていますので一般的ではありません)でしょうが、それにしても長い間には沈むのは間違いのないこと。

こんな木材の性質に合わない使い方をなぜするのか疑問を持ち続けていましたが、さりとて石場建てが本来はいいとしても、先の構造事務所の見解を受けると、一介の設計者としてはお手上げ状態。

土台から上の構造(上部構造)が、地震などで幾ら揺れようとも、基礎をガッチリ固めていれば壊れないというのが根本にあるようですが、建物が倒壊するのは上部構造の揺れに対する強度が弱いからだということで、やたらと壁の強度を上げることで耐震構造と呼ばれています。

この雑誌の記事で報告されている2棟の建物は、石の上に固定しないで置いただけの石場建ての伝統的工法で建てた建物に対して阪神大震災なみの揺れを与えた所、最大120ミリ移動、変形量も20分の1だったそうです。

建築基準法で定められている層間変位角の安全限界30分の1を超えてしまいましたが、この工法では建物は歪みが大きくても倒壊しない、という結果になっています。

建物が歪みが大きくても倒壊しないということは、建築物は住民の生命と財産を守ることが使命だという、もっとも根源的なことが伝統的建築物では成立することが立証されました。

私が駆け出しの頃の一昔?前、木造住宅の現場で大工さんから、住宅は基礎に置くだけにして滑るようにしたほうが安全なんだということを聞かされましたが、まさにそれが正しいということが立証されました。

石場建ては、免震工法だということを改めて認識させられます。

この実大実験を元に、これから構造計算を確立させ、石場建てでも建築可能な時代が来てほしいものです。


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