二日連続でトイレのことを書いた流れで、今日は換気扇の話。
いまやシックハウス問題もあり、24時間換気の換気扇は住宅には必須アイテムになりましたね。その24時間対応の換気扇のほとんどがトイレを対象にしているのはご存じでしたか。
確かにトイレにしておけば臭気や湿気も換気されるので一石二鳥を狙えるわけですし、24時間換気作動音もトイレなら気にならないということです。
で、このトイレの中の換気扇ですが、何処に付いていますか?
トイレに窓があるお宅ではその窓の上か、マンションなどのような窓のないトイレの場合は天井に付いているケースがほとんどというか、ほぼ100%近くがそうなっているでしょう。
このトイレにある換気扇の目的は使用後の臭気を早く出す目的ですよね。
これには異議はないと思います。
その臭気の原因はご存じのようにメタンガスです。そしてこのガスは空気より重いんです。
ほっとくと下の方にたまります。そのメタンガスを排出するための換気扇なんですが、空気より重いはずのガスをなぜ上の方から排出するのか、いままで不思議に思わなかったでしょう?
トイレが汲み取りの場合、トイレに窓が二つ付いていて、一つは今と同じように明かりとリのために人の顔くらいの高さについています。も一つは床に着く位置についていますね。汲み取りトイレの経験のない方はお母さんかおばあちゃんに聞いてみてください。
この窓の配置はものすごく理にかなっているんです。
汲み取りですから便壺から上がってくるメタンガスは床あたりに上がってきますので、床に付いている窓からガスを出しているわけです。
ところがトイレは今や水洗便所が当たり前だのクラッカーになった結果、トイレは臭く無いとでも昔の人は思ったのかどうかはわかりませんが、窓が付けられるお宅では高いところに一か所だけ、窓がつけられなければ上の方か天井に換気扇をつけてお終い。
でも、いくら水洗でも大きいのが終わった後は結構臭います。人が使った後に入った時は特に臭いますものね。
そこで換気扇を回すわけですが、下に溜まっていたメタンガスを強制的に換気扇が付いている上の方まで引っ張り上げて排出しますね。もちろん使用中でも換気扇を回すので、その臭気を座っている人がもろに嗅ぐことになります。
もうお分かりですね。トイレの換気扇は本来なら床に近いところに付けるべきものだということ。
私の設計ではその位置が隣家に支障がないことを調べたうえで、床から300ミリ程度のところに付けるようにしています。
もちろ全てがそのようにできないということもあります。
では何故床近くにつけたほうがいい換気扇を高いところに付けるのが一般的なのかということになると、従来そうしてきたからという慣習と、製品の種類が多いし天井に付けるタイプが小ぶりでスッキリ見えるということもあります。そしてマンションのように天井裏の浴室などのダクトに接続しながら排出する方式を取りますので施工上の問題からです。
マンションタイプでも床近くに付けられることもありますが非常にレアケース。コストもかかるとなるとやはり諦めざるを得ません。
戸建ての場合はこの床近くに付けることが可能なケースが多いので、ぜひ検討してみてください。
換気扇の話の続きで、次回は台所の換気扇につなげます。
いやはやこのところ、毎日のように更新しているなぁ。調子いいなぁ。
・・・なんだか怖いな・・・・
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