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れれれのおじさん

Author:れれれのおじさん
長崎生まれで高校卒業まで長崎育ち。74年に建築設計の世界に入り、ゼネコンの設計部、アトリエ系の設計事務所などを、さらしに差した鉛筆一本で渡り歩いて設計を修行。86年に縁もゆかりも無い福岡で設計事務所を開設。日本の気候風土に合った風通しのいい住宅を基本に、自然素材を使った住宅造りを続けている。

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2009/03/26 (Thu) 11:49
ローコストとは

住宅の設計依頼でよくあるケースとして、「ローコストで建てたい。」という要望。
たしかに、コストは掛かるだけ出しますよという人はまず存在しない、というより、私の今までの経験からはありませんでしたね。そりゃぁ、かの村野、安藤などメジャーな建築家になればそのような依頼者が出てくるかもしれませんが、その方たちと比べても仕方の無いこと。

このローコストという言葉がもつイメージはどのように考えますか?

私が捉えるレベルとメジャー建築家が考えるレベルとは大きな開きがあるようです。
というのも、私が今よりはるかに若かった頃、建築雑誌に載っていたメジャー建築家の設計した住宅とその建築家が書いた文章を目を皿のようにして読んでいたとき、アルミパンチングメタルに関してその建築家が「チープな建材を使って云々」と描いてあったのを目にしました。
その頃は、アルミパンチングメタルなるモノを使ったことも無かったために、へぇー、こんな面白い効果が出る材料が安いなんて・・・よっしゃ、チャンスがあれば使ってみよう。と、まだまだ世俗にそれほど汚されていなかった純情な青年(私のことですね)は、昇る朝日に向かって心に誓ったものでした。

しばらくしてそのチャンスが来たと思し召せ。
ここぞとばかりにチープな建材であるはずの「アルミパンチングメタル」をどしどし書き込みました。

で、建築会社からの見積チェックの時、心臓が三分の二くらい停まりあやうく卒倒しかけました。そうです、あのアルミパンチングメタルの金額が驚くほどのコストになっていて、ギョギョギョとギョの3乗くらいギョになって頭の中がパニックになったものでした。

ローコストって書いてあったに、ナンジャコリャーッ!
と、松田優作風に声を出しましたが、この部分、知らない人多いだろうな・・・

事ほど左様に、ローコストの捕らえ方のレベルがメジャー建築家と私のような無名で貧しい設計者との感覚の違いが大きいということを言いたかったのですね。

彼らにとってのローコストとは、たとえば住宅でも60万/坪ならばローコストに入るようです。一般的には80万/坪が彼らにとってのごくフツーのコストのようですね。これは雑誌で調べれば分かります。

確かに近年は要求される設備のスペックも年々向上し、かつ法的にシックハウス対策や省エネ対策、バリアフリー対策などいろいろと要求されてきていますので、私が独立した時期より坪単価は上がって来ざるを得なくなってきています。その関係上、上記したメジャー建築家がローコストと言ったレベルの坪単価が、現在のところのごく普通の住宅での坪単価というものに近いようです。

設計者に依頼すると高いものになるという誤解もいまだにあるようです。それは設計者が自分のデザインを押し付けるという意味もこめられているかと思いますが、設計料をいただくからには、やはり建築の専門家としてのレベルに作ることが必要だと思います。建てさえすればいいというレベルではないということだけは理解していただきたいものです。したがって、設計者に依頼するということは、設計者が持っている建築のレベルに仕上げることが専門家としての職責ですし、それを提供することを依頼者も期待してのことだろうと思います。

その意味から考えると、ローコストという捕らえ方が千差万別で、発注者、われわれ設計者、ハウスメーカー、地域工務店、大工など個別の考え方になるのでしょう。このへんの意識を統一しておかないと、お互いに大変なことになりかねませんよ。

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2009/03/23 (Mon) 13:00
建築の図面

建築の図面というものは、その昔は全てトレーシングペーパーに手書きで描いていました。

設計変更があるたびに消しゴムでシコシコ消して何度も書き直しをしたものでしたが、あまり変更が多くなるとトレペに白い線が残ったり破れたりしていたものです。

苦労して書き上げたトレペを青焼きという作業の時に機械に巻き込んだりして感光液だらけにしてしまったということを何度か経験したことのある中年以上の人は結構いるはず。そしてトレペに描いた図面(これは原図と呼びますね)を持ち運ぶとき、青焼図はともかく原図を持ち運ぶときに雨でも降られたら、風邪引いても原図は絶対に濡らすな、などといわれていたものでした。

そんなこんな時代から、いまや図面はほとんどがCADで作図の時代。データーはPCの中にあるので、図面を何枚出そうが感光液の心配が要らないので自由自在だし、上に書いたように巻き込んで感光液だらけにすることもないし、破れても簡単に再出力できるので問題ない。データーはメールで送受信するので途中で雨降られようが雪になろうが槍が降ろうが送信の回線が切断されない限り、人が運ぶわけではないので途中で事故が起きる心配もありません。

いやはや便利なものです。

手書きの頃は図面を書き出すときは一発勝負のようなものがありますので、レイアウトに神経を使っていました。とにかく見やすく分かりやすく描くということが必要ですね。
それがCADでは書き出すときにレイアウトも考える必要も無く、とりあえず書き込んで後で幾らでもレイアウトをして図面を整えられます。

そもそもこのレイアウトがうまいかどうかでその人のセンスも分かったりしたものでしたが、いまやその傾向が薄らいでしまいました。

CADなら変更が付き物の建築の図面も簡単に作業できますね。
確かに最初に図面化する作業時間は手書きとそれほど差はないように思えますが、なんといっても変更した場合の対応が桁違いに楽ですね。
配置が変わったり階高が変わったりしたら、手書きの時代はそりゃ気が遠くなりそうな時間がかかっていました。せっかく書き込んだ図面を消すというのはやりきれない気持ちになったものでしたが。

CADが世に出てから長い間2次元CADが主流でしたが、そろそろ3次元CADが主流になってきているようです。建築というの3次元的に立ち上がるからには3次元CADで作業できたほうが望ましいのは自明の理です。
ソフトによっては3次元で最初から作業していて全てが図面として反映されるという驚異的な製品も出ているようです。もちろん金額も驚異的ですが・・・

私もご他聞にもれずほぼ100%CADで図面を書いていますが、3次元CADはまだまだです。
理由は、上に書いたように3次元が図面に反映するというソフトは大手の設計事務所か仕事がバリバリ入っている事務所でもない限りとても買えないのと、多忙でもあったのでなかなか覚えようという気力が起きなかったのですが、このところ時間が取れるようになったので、んならばしてみっぺとばかりに取り組んだのが無料で出ているSketchUpという3次元CADです。これはGoogleからダウンロードできますので、まだの方はどぎゃんですか。

やり始めて面白いことは面白いですが、いつになったら実務に使えるようになるのかは後のお楽しみ。

しかしやっぱり模型を作るほうが慣れているせいか、おじさんには分かり易いような気がするけどなぁ・・・・でも、模型を作るとなると、小さな住宅のスタディ模型でも一日はかかるし、周り中がスチレンボードの切れ端で白っぽくなるし、猫が間違えて食べやしないかと気になるし、いやはや、これはこれで神経使いますワ・・・


2009/03/09 (Mon) 10:06
住宅の引渡し

先週の土曜日、工事が終了した住宅の施主検査を受けました。

その前に私が設計事務所として完了検査をしていて手直しのリストを渡していましたので、それに基づいて各項目の終了を一緒にチェックして廻りました。
壁を総て漆喰にしていますので、その漆喰の塗り斑やこすった跡が残っているくらいでほぼ終了しています。

今流行のデザインではなく軒の出を深く取ったシンプルな切妻屋根の住宅です。
この完成写真は建主がOK出してくれれば私のホームページに載せようと思っていますが、個人の住宅ですので、外観はともかく内部まで掲載するとなるとプライバシーの問題もありますので、建主がOK出してもらわないとホームページにももちろん載せることはしませんし、ましてや雑誌に載せてもらうことなどは平面も掲載されてしまいますので不可能です。

数年前の話ですが、地元のTV局から番組で紹介したいと連絡が来た住宅がありました。私がOK出すわけでありませんので建主に問い合わせしたところ、奥様はOKでしたが旦那様がNGでしたので取材を断ったことがあります。
TVで放送される住宅は建主もOK出していないと放送できないはずですので、ほとんどが設計者の自邸が良く見られます。これは宣伝の意味もあるのでしょうね。私はマンション住まいなのでそんなことが出来ませんが。

雑誌に載せてもらうことと同様に**賞への応募に関しても建主がOK出してもらえないと応募できませんが、そもそも**賞を取ったとして建主になんかメリットがあるのでしょうか。
応募したことも賞をもらったことも無いので分かりませんが、ほとんどが設計者の名前が表に出るばかりですね。これもなんだか理解に苦しみます。

確かに**賞受賞と肩書きに書けば箔も付くし一目も置かれるのも理解できますが、建主にとってメリットの無いような賞に応募するのもいかがなものかとついつい考えてしまいます。・・・応募しても賞をもらえるほどの才能も無さそうですが・・・・

この住宅も今週土曜日に引き渡しになります。
こじんまりとした住宅でしたが、建主と施工者と3者協力しながら作っていったという思いを持っています。もちろん、設計事務所は建主の代理ですので、そこはそれ、3社平等というわけには行きませんが、各自が一生懸命取り組んだ住宅になっていると思っています。

上に書いたように、当節流行のパッと目のいいデザインではなく地味なデザインですが、プロ好みに仕上がっているのではないかと自負しています。

でも無事に引き渡しが終わって現場に行けなくなるって事は、やはり寂しい気持ちになりますね・・・

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