プロフィール

れれれのおじさん

Author:れれれのおじさん
長崎生まれで高校卒業まで長崎育ち。74年に建築設計の世界に入り、ゼネコンの設計部、アトリエ系の設計事務所などを、さらしに差した鉛筆一本で渡り歩いて設計を修行。86年に縁もゆかりも無い福岡で設計事務所を開設。日本の気候風土に合った風通しのいい住宅を基本に、自然素材を使った住宅造りを続けている。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

カレンダー

05 | 2007/06 | 07
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

FC2ブログランキング

FC2アフィリエイト

FC2アフィリエイト

FC2カウンター

ブロとも申請フォーム

2007/06/28 (Thu) 17:41
建築の流行から手入れまでの話

建築の流行はその背景となる建築思想の変遷により、結構めまぐるしいものがあります。

人間が作り出すものですので、ある特定の思想が永久に続くわけではないのは当たり前でしょうが、1つの思想による建築がある程度続くと、その思想に基づく欠点なり無理な面が見えてきます。勿論社会的な技術の進歩にも影響を受けますし、絵画や彫刻などの芸術分野の表現方法の変化、哲学的思想の変遷などにも影響をお互いが受けたり与えたりしながら変化していきます。

トラッド建築からモダニズム建築、デコン建築、ハイテク建築などなど。最近まではポストモダン建築が建築界を席巻したのは記憶に新しいのですが、これもいつの間にか消え、今現在はひとつの傾向に絞れない百花繚乱の様相を呈しています。

そんな流行の建築の1つに、屋根も含めて総ガラス張りの建築がときどき雑誌にも載りますし、住宅でもガラスを多用した建築を目にします。

これはモダン建築とでも言うのでしょうか。

空調が効きにくいはずなので、さぞや電気代がかかることだろうとついよけいな心配してしまいますが、設計者や建て主にはそんなことは気にしないんでしょうかね。

そのように住宅にもピカピカのガラスを多用した建築があるかと思えば、伝統的な木や漆喰などの素材が好まれて使われている住宅もずいぶん増えてきましたし、ハウスメーカーや建売住宅では積極的に「自然素材」をうたっています。

外部に木を現しているのも多く見かけるようになりました。

木の柔らかい素材感はやはり人に優しく、ほっとさせるものがあってなかなかいいものですが、果たしてこれがいったい何年持つのかしらと心配するのもやっぱり私が貧乏人だからでしょうか。

建築の材料は建築材料として構成された瞬間からどんどん古くなっていきますので、見た目が新しくても、こまめな手入れを怠りなくする必要があることを忘れないでいてほしいものです。

戸建ての場合、メンテナンスすることは自己責任ですので、集合住宅のように毎月補修費として積み立てるように引き渡す時にアドバイスしますが、なかなかその時にならないとその気にならないというのはお互い様ですが・・。

定期的にメンテナンスしておけば木造住宅でも軽く7~80年は持つものです。
20年程度でボロボロになるのは、いかに手入れをサボっていたかの証明になりますね。

そこで、一般的な手入れの周期の目安として、下にメンテナンスをする時期を書き込みました。

外壁の場合 モルタル塗り・・10年
      鉄部・・・・・・ 5年
      木部・・・・・・ 5年

屋根の場合 スレート瓦・・・点検サイクル 5、25、35年 ・・              葺替えは   15、35年・・
      瓦・・・・・・・点検サイクル 5,15,25など5年                     の奇数倍
      鉄板葺き・・・・ 5、25、35年毎に塗装
              15,35年毎に葺替え
      雨樋・・・・・・点検と交換の時期は鉄板葺きと同じ
      防水工事・・・・ほぼ10年毎にやり変え
              メーカー保障は通常10年まで

給湯器・・・・・・・・・・・点検サイクル 5、25、35年
              入れ替え   15、35年
給排水・・・・・・・・・・・点検補修は5年、30年
              全面やり変え 20年


などですが、諸条件によって耐用年数が違いますので、あくまでも目安として考えてください。

排気ガスの多い都会より空気の綺麗なカントリーでは耐用年数も伸びます。

建築の流行の話からいつの間にか大きくずれましたね。
毎度のことです。人生は思ったようにならないという見本のようなものです。(んな、たいそうな。)
     
      
      
スポンサーサイト

2007/06/26 (Tue) 19:37
非常階段の古い塗装

私が事務所を置いているマンションは築35年経っています。

ヨーロッパ辺りでは100年以上なんてざらのようですので35年なんていえば新築同然といえそうですが、残念ながら日本では老朽化マンションといわれています。

たしかにマンションとしての平面は古臭いし、構造の造りにしても今の基準なら当然のようにエキスパンションジョイントを取るところでも、そうなっていないので、その部分には亀裂がたくさん入っています。

事務所の入居先を探していてこのマンションを不動産屋さんと下見に来た時、この亀裂を見てギョッとしたものでした。

たしかにエキスパンションジョイントは効果があるなと改めて認識しましたね。しかし、いまさらどうしようもないんです。

で、何を書こうとしていたのか忘れそうですが、そのように古いといわれるマンションですので当然のようにあちこちに手直ししないといけない箇所が見られます。

そこで、私が専門家だからと言うことでマンションの理事会に参加して欲しいと依頼を受けたのが去年。

おっちょこちょいのいつもの癖で、よーがすと二つ返事?でした。

で、先日、鉄骨で作られた外部の避難階段の塗り替えをしないといけないので見て欲しいとの依頼。

また例の調子で、よーがすといって見たものの、現状のひどさに唖然としました。

前回の塗装から7年経っているのは聞いていたので錆びの出具合は想定の範囲内(ちょいと古い)でしたが、よく見るとチェッカープレートで作られた段裏に何の目的なのか全く分からない薄ーいプレートがまるで絆創膏のように付けられていました。

それが4辺とも綺麗に溶接されて密着しているのならよかったのですが、部分溶接(点溶接)なので隙間があり、そこに雨水が入り込んで錆を呼んでいるような状態でした。

他にも「なんじゃこりゃ(松田優作風)」というような箇所がたくさんあり、監理者がいないといかにずさんにやられているかを目の当たりにました。

安かろう悪かろうの典型で、防錆処理もかなりいい加減です。

塗装工事もしっかりした手順でしないと、ひどい状態になるという教訓です。

2007/06/22 (Fri) 18:53
現場での監理者

建築の現場監理のなかで、どの工程が神経を使うのかと言うと、事務所によりけりでしょうが私は構造体を工事する時が最も神経を使います。

意匠事務所ですので仕上げ段階の仕上がり具合は勿論気になりますが、仕上げの悪さなどは後でも修正が効くものですが、構造体が悪く仕上がること後での修正は不可能です。

したがって、この構造体を作る段階での監理業務に最も神経を使います。

木造集宅であれば基礎を作る工程ですね。勿論構造体の柱梁のチェックも大事です。

基礎のコンクリートを作る時の検査だけではなく、基礎を作るための土を掘り返したり基礎の下に敷きこむ栗石(いまではクラッシャランのほうが多くなりましたが)の締め固めの状況の確認など、することは山ほどあります。

本来の設計事務所の検査は最終の引渡し検査が本来の検査になるわけですが、だからといって途中の工程を施工会社任せにしていては監理者としての姿勢が問われます。

「監理」と「管理」は音は同じですが業務は大きな違いです。
「監理」は設計事務所が行う業務で、現場が設計図どおりに施工されているか、指定された品質を確保しているかなどの確認をする業務です。その中には上に書いた検査も含まれます。

「管理」は、施工会社の現場監督が行う業務で、職人の手配や工程の調整、現場での事故が起きないように注意することなどです。もちろん、設計図に基づく工事を行うことは当然の業務です。

現場から上がってきた施工図(設計図に書かれたことをどのように施工するかを表した図面)のチェックなど、現場が始まると監理業務も多岐にわたります。

どの現場も設計図どおりに行かないことが頻繁に生じますので、現場の進行が滞らないように速やかな判断を下さないといけないこともたびたび生じます。

現場が動き始めると監理者も現場の中を動き回りますので、ちょっとした規模の現場になると運動不足が一気に解消されるほどです。

設計者は頭脳労働者のように思われがちですが、肉体労働者でもあるわけですよ。

高いところにも上ります。
私がこの業界に入って失敗したと後悔した1つに、高所での監理業務をしないといけない時です。

足がすくむし身体は固まるし、方向を変えるだけでも大変です。
足場を歩く時も、何かにつかまっていないととても歩けない状態です。
鉄骨の梁の上なんかとても歩けません。

足場をしっかり作ってもらってからようやく、恐る恐る梁の上を歩くという状態です。

ほんと、人に見せられない。

設計事務所って、決してかっこいい仕事じゃないんですよ。


2007/06/17 (Sun) 09:53
コンクリートに水を

コンクリートと言うのは湿潤状態が望ましいことを書きました。
だから、コンクリート打ちの工事の時には霧雨のような湿気の多い天候の方が都合がいいわけです。

霧雨のような細かい雨によってコンクリートの乾燥が遅れることで、クラックが防げます。

耐震偽造問題の時、鉄筋量を減らしたことが問題になっていましたが、木村建設の工期の短さはマスコミでは問題として取り上げられることは余りありませんでした。

鉄筋量と同じくらいにコンクリートの養生期間の確保も大切なのです。昨日書いたように、コンクリートは寝かせるほど強くなりますが、この養生期間が工程的にもったいないと思われてしまうのか、たいていの建設会社はこの期間を短くしようとします。
コンクリートを打った翌日に型枠をはずそうとすることも多い。

寝ることで強くなるコンクリートが、その強さが出ないままに終わってしまいます。

早く型枠をはずしてしまったコンクリートは、一見固まっているように見えますが、その強度は例えて言えばプヨプヨのプリンのようなものだと思ってください。

そのレベルのコンクリートでは計画された設計強度が出ていないので確実に早期にクラックが入り、建物全体の安全性が損なわれてしまう結果になります。

我々はこの養生期間に神経を使います。

早く型枠をはずそうとする建設会社は、要注意ですね。

発注者サイドも必要な工事期間を確保してあげないと建設会社がこうした無理な工事をすることになり、建物の安全性が損なわれてしまい、結局ランニングコストが非常にかかる建物になってしまうということを認識する必要があります。

コンクリート打ちは雨模様がいいという話でした。

2007/06/16 (Sat) 11:13
コンクリートは

建築の工事で天候の影響は工期に大きく影響がありますが、雨模様の時の方が好都合な工事があるのはご存知ですか。

もっとも、あくまでも雨模様ですので、本降りや大雨では話にならないので、霧雨のようなねっとりとまとわり付くような雨の方が喜ばしい工事です。なんだか、ネクラな工事のようですが・・・

これは何かと言うと、コンクリートを流し込む工事です。このことを「コンクリート打ち」と言います。

なんで「打ち」っていうのか詳しくは知りませんが、私なりに解釈しているのは、コンクリートがしっかりと型枠に中に入り込むように型枠をハンマーなどでトントンと叩く(打つ)ところから来てるのかなと思っていますが、ま、それがハズレだろうがなんだろうが何の影響も無いので話を続けます。

「型枠」というのは、コンクリートを柱や梁などを指定された形に作るために合板や金属のパネルなどでその寸法で作ったもので、その中にコンクリートが流し込まれるためのものです。

コンクリートは水で練ったものですので、一般的にはスカッ晴れくらいの天気のほうが早く乾いていいんじゃないかと思われると思いますが、実はそうじゃないんですね。

コンクリートは早く乾きすぎると表面に割れ(クラック)が入り品質が劣化してしまいます。
そもそもコンクリートは設計で決められた強度(設計強度)が出ないと建物全体としての強度が保てなくなるので、設計強度がどうすれば出るのかと言うことが古来、研究された結果、コンクリートは水の中が一番割れが発生しない品質として理想的な状態になると言うことがはっきりしています。

意外に思われるでしょう?なんで水の中なんだろうと。コンクリートが水の中で固まるのかと。

コンクリートが水の中でなんで固まるのかと言う話をしだすと長くなりますので省きますが、工事現場がまるごと水の中に入れられるわけじゃないので、どうするかというと、流し込んだコンクリートに水をまいたり水分が早く抜けないようにシートを被せたりしてコンクリートを湿潤状態に保つことに神経を使うわけです。

この作業を「湿潤養生(ようじょう)」と言うのですが、この養生がしっかりできていないとコンクリートの品質が落ちるので、心ある建設会社ではしっかりと対応しています。また、私たちのような設計監理者にとってもこの作業は非常に重要ですので、建設会社に指示や確認に神経を使います。

コンクリートの品質に影響があるのはもうひとつ。それは、コンクリートを決った期間、寝かしておくことです。このことを「養生期間と」いいます。

分かりやすく言えば、料理なんかで何かをこねた後、味がしっかりと出るまで冷蔵庫のようなところに数時間置いておく事がありますね。食べ物とは種類が違いますが、似たような考えです。

寝る子は育つように
寝るコンクリートは強くなる。
(この標語、誰か広めてくれないかしら・・・)

家を建てるときなどは、こうした専門用語を知っているだけで、建設会社の対応ががらりと違ってきますので覚えていて損じゃないですね。

なんだか長くなりましたので、次回に続きます。

2007/06/12 (Tue) 18:38
イメージギャップ

住宅などの設計に当たって、様々なアイデアは出てきますが、実際問題としてそのアイデアが全て実現できるわけじゃないですね。

依頼する人がNOと言ってしまえば、そのアイデアがいかに革新的なものであっても、これは実現しません。

まれに依頼者が首を縦に振っても、予算に納まらないとこれも実現できません。

予算オーバーしても建築としてすばらしいので予算を追加してもらえるなんてこと、私の場合はほとんど無いですね。

建築としてすばらしいということも、自分で思っているだけの自画自賛に過ぎないのですが。

日常で悪戦苦闘する我が身からすれば、革新的前衛的なアイデアが実現できる立場の人は、やはりスター建築家なんでしょう。才能にも恵まれているのでしょうね。実に、うらやましい限りです。

しかし、一流建築家は離婚される方が一般の人より多いようです。

なんとなく分かりますね。
朝から深夜まで建築に没頭し、徹夜などで事務所に泊り込んだりが日常茶飯事では、奥さんが耐えられない。

建築家ってイメージ、一般的にすごくかっこいいようですが、実際はすごく地味な仕事の連続(すみません、私の場合での話しです)で、映画に出てくるような建築家って極一握りなんですよ。

私事ですが、私のカミサンは独身時代は病院勤務で、まわりに医者がうじゃうじゃいたにもかかわらず私と結婚しましたが、後でボソッと言われました。

建築士ってすごく地味な仕事ね。
作業量の割りに収入が厳しくて、日の当たらない業界のよう。
だまされた・・・

まだ結婚していない独身の建築士の方、建築士の彼氏がいる方、も一度、よっく考えましょう。

巷では、一級建築士イコール貧乏人 といわれていることを知りましょう。

都知事選で年収は何十年も億単位だと言ったクロカワさんのような人は、非常にまれなんですからね。

クロカワサンの発言がTVで流れた時、思わずカミサンの耳を塞ぎました。

ハハハ・・・

2007/06/07 (Thu) 18:06
年金問題

年金問題、いまおおもめですね。

そもそも、社会保険庁所属の官僚連中が無駄遣いと思うしかないような施設を建て、それがうまくいかなくなって民間にただ同然に払い下げるように年金を湯水の如く浪費し、さらに連中の退職金やなんだかんだはそういう責任も取らずにン千万もらって首尾よく天下る。

こんなことやって年金の財源が不足しているとしれっと言って恥とも思わない官僚連中の生活を、私たちは税金を使ってせっせと高額の給料を払っていい生活をさせているんです。

こんなにおいしい官僚と言う仕事を、国民からなんだかんだ言われてもしょせん一時我慢すりゃ気の移りやすい民族だからすぐに忘れるから簡単に手放す必要なんか無いし、選挙になりゃ、ワシらの味方の自民党にせっせと入れてくれるから安泰だもんねと思ってんでしょうね。

子供の頃は遊びもしないで勉強ばかりしてきたから、当然の報酬だと。

この考えは、実際に以前、官僚が発言したんですよ。

私も自営業だし、厚生年金じゃないので年金問題は切実です。

おじさん連中は明日の問題ですが、若い人たちは結構実感もなくひとごとなんでしょうね。

でもね、あなたがたが現実に満足し、現状を変えたくないという考えで選挙にも行かず、行っても自民党に投票した結果、あなたがたの年金は官僚と政権党の議員連中に好きなようにされて、結果もらえなくなる可能性が大きいってこと、考えたことある?

選挙に行かなきゃ、自民党、カルト教団政党にとって好都合だってことに気が付いてほしいな。

で、年金の話で、官僚と政権党の政治屋の所得の高さは、年金に頼らなきゃいけないような庶民のことなんか分からないんだよ。

官僚は東大出身者が多いけど、東大生の親の平均所得は3000万円。これって、庶民の生活だとお思い?

それだけ、教育にお金をかけられたってことですよ。

自民党の政治屋連中のほとんどは二世議員なので苦労して無い。
アベシンゾーなんかそうだし、その前の日本版小型ヒトラーもそうだった。

いま、年金だなんだかんだといっても、所詮選挙になりゃそんなことは忘れてしまって、やっぱし自民党だべ、つって現状維持で投票するんでしょう。

いつまでたっても自民党一党独裁政権を変えられないこの国が、年金問題も解決できるわけが無い。

理由は上に書いたようにことで、官僚も政治屋も庶民の年金のことは真剣に考えていないから。

官僚は厚生年金とそれに上乗せできる公務員対象の年金が加わるし、政治屋連中には議員年金という恐ろしく高額な年金がもらえることになっている。

それが嫌なら、年金問題を真剣に問題だと思うなら、自民党、カルト教団政党の議員を落として、政権交代をして別の視点で対処すべきだと思いますね。

ま、民主党とか根っこが自民党の政党もあるのでなかなか大変でしょうが、庶民の怒りを示さなきゃ永遠に官僚と政治屋連中になめられるでしょう。

2007/06/06 (Wed) 11:02
高気密高断熱考 最終

せっかくの高気密高断熱住宅にカビや結露が発生する理由は、ひとえに高気密だからとしか言いようが無いのです。

木造住宅の場合、木の組み合わせで構造が成り立っていますが、どんなにしっかりした施工をしても、木は水分が抜けるに従い縮んで行く性質がありますので、最終的にあちこちにわずかな隙間が生じてきます。

従来の木造住宅はこの隙間が換気口の代わりを担っていたわけですが、自然に空気が入れ替わるということはせっかく暖めた空気も外部に出てしまうので、快適であるために壁や天井に断熱材を入れるようになりました。

窓ガラスには昔も結露はしていたものでしたが、窓枠が木製であったので、その結露水が流れて床が濡れるという現象は木枠が吸収していたので、あまり見かけませんでした。

昔は壁の材料は漆喰などの吸湿性のある材料でもありましたので、壁が結露することはまれでした。

壁や窓ガラスに発生した結露には、汚れやカビの胞子が混ざりこみ、水滴が消えた後でも、室内には空気中に水分が存在しますのでカビが繁殖しやすい環境になります。

従来の住宅が持つ様々な欠点を補うべく高気密高断熱住宅が考えられたわけですが、それは様々な設備を絶えず稼動させることが前提になっています。

換気扇を絶えず回しておかないと、上に書いたような自然に空気が入れ替わる住宅では無いので、湿気が抜けることは無いのです。

在宅であれば窓を開けて換気させることも可能ですが、そんなことを繰り返すのであるなら高気密高断熱住宅にする必要性がなくなるわけですね。

少ないエアコンで全体の空調を効かせるという意味においては確かに省エネルギーにはなると思いますが、その快適性を確保するために窓を開けないでエアコンを付けっぱなしにし、さらに換気扇も回しっぱなしにする生活は、私にはとても人間的な快適生活とは思えないんです。

私は気持ちのいい季節には窓を思いっきり開けっ放しにしたいし、夏の夜は窓を開けて気持ちのいい風を取り入れたい。
扇風機の風より遥かに自然の風の方が気持ち良いのはなぜなんでしょうかね。

私個人としては、兼好法師が書いたように夏を旨とした住まいの方がいいのじゃないかと思います。

暑いのは裸になっても暑いですが、寒いのは何かを着込めばしのげます。少し動けば身体が温まります。

外から帰ってきたとき、換気扇を回さなかったせいで結露していたりカビが生えていたりする住宅は嫌ですね。窓を開けっ放しにしても熱気がこもってなかなか抜けないというのも。

風の通り道をしっかりと計画していればそんなことも起こりにくいはずなんですが、そもそもが隙間を極限にまで少なくした住宅では風の無い日は想像しただけでも暑苦しい気がします。

結露対策は高気密高断熱に限らず木造住宅では建物の寿命にも影響するケースも多いので、しっかりした対策をとった設計をする必要がありますが、さまざまなノウハウが広まっていますので、そのノウハウで行えば今現在のところでは大丈夫のようです。

これとても、これから先、新しいノウハウが出てきたら今の方法じゃまずいということになる可能性は十分ありますが、今現在で考えられる設計手法を駆使して対処することしかないことも事実です。

高気密高断熱にする必要性を疑問に思っている理由が、お分かりいただけましたでしょうか。

このシリーズは、今回で終わりです。

高気密高断熱が絶対いいんだと思われる方や木造でも外断熱が絶対いいんだと思われる方も勿論いらっしゃるので、そういう考え方を否定しているわけではないということをご理解ください。

ただ、原理をしっかり理解していただければ、いろいろな見方ができてきますので、その上で判断していただければ良いと思います。

このブログは、そのような目的で書いています。



2007/06/02 (Sat) 19:02
高気密高断熱考 その7

このシリーズも7回目です。

いやいや、長いですね。

長く引っ張ったのはオメーダッと突っ込みは一切受け付けませんのであしからず。

前回では高気密高断熱(キーボード打つのに長いこと)はあまり賛成できない(誤解が無いように書いときますが、九州のような比較的あったかい地方と思しき地域でのことです)ようなことを書いて終わって気を持たせていますね

ムフフ  
つっても、期待してみてる人、あまりいないんだろうけどね。

このコンセプトは悪くは無いんですが、このスペックを維持するためにはドンナ生活をしないといけないか、考えて見ましょう。

高断熱ということは断熱材がしっかりと入っているということです。

これはまあ、いまどき、必要なことでしょう。

冬は暖房してもなかなか温度が下がらないということになり、なかなか快適になります。

ということは、夏場は熱気が抜け無いということになりますね。

よくある話で、夏、夜間、窓を開けているにもかかわらず熱気がこもって寝苦しいという苦情があるそうです。

それって当たり前ですね。

高気密高断熱はそもそも窓を開放させる考えで作っていません。空調や換気扇を回すことで少ないエネルギーで建物全体を快適にしようという考えです。

冬はなかなか気温が下がらないということは、夏の熱気もなかなか抜けないということです。

なんつったって高気密だけん。

そして、ご存知ですか?

換気扇をしっかり24時間回しっぱなしじゃないと結露するってこと。

え、高気密高断熱なのに結露するって、と思うでしょ。

それがするんですね。

人がいる限り、身体や息から水蒸気が出ますね。

空気中の湿気は高気密だから、換気扇回さないとどんどん高くなるんですね。

夏場、外出時に窓を全部閉め、電気代がもったいないから換気扇も止めたあと、外から帰ってきたときにドンナ状態になっているか想像できますか?

結露やカビが発生しているケースが多いんですよ。

なぜだと思います?

これから後は次回に。







| ホーム |

 BLOG TOP