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れれれのおじさん

Author:れれれのおじさん
長崎生まれで高校卒業まで長崎育ち。74年に建築設計の世界に入り、ゼネコンの設計部、アトリエ系の設計事務所などを、さらしに差した鉛筆一本で渡り歩いて設計を修行。86年に縁もゆかりも無い福岡で設計事務所を開設。日本の気候風土に合った風通しのいい住宅を基本に、自然素材を使った住宅造りを続けている。

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2017/04/06 (Thu) 10:46
コンペに応募するかどうか迷っています

 コンペに応募するかどうか迷っています。

 要求施設は今まで経験のない施設ですが、私が日頃取り組んでいる住宅に対するコンセプトを拡大していけば未経験であっても対応できると思いましたが、そもそも論から書くと、コンペというものは実作の乏しい若手の登竜門としての意味合いもあることを配慮すれば、もはや高齢者という域に近い者が参加することに躊躇しています。

 歳を重ねてはいても膨大な建築のさまざまな事柄に対して未熟だと認識しています。そのために建築士としての義務でもありますが、さまざまな新しい技術、法規などの知識を得るべく学習していますが、いかんせんそれを活かす機会には無名ということもありなかなか巡り合えないのも現実。

 この建築設計という仕事は依頼がない限り実作につながらないという受注産業であるからには、こうしたコンペに積極的にチャレンジすることで受注をめざしています。

 またコンペは、日本の社会通念として、ある程度以上の規模の会社や設計事務所でも行われている接待-ゴルフや飲食などのお付き合いですね-と言われる交際術によって仕事を得るということがとても苦手、というより一度もしたことがない私には一つの希望でもあります。

 もちろんコンペですから最優秀を獲得しないと仕事につながらないことは当たり前ですが、たとえ選に漏れても何らかの財産は残っていくはずです。設計者として建築のさまざまなアイデアの広がりや発想の柔軟さが鍛えられます。

 以前にも書きましたが、我が国のコンペは同様の規模や施設-例えば美術館や博物館など-の経験がない者には挑戦権が与えられないというケースが多いため、そういう施設の実作が無い私には最初から門前払いが実情。

 そうした中で今回は、そういう縛りも年齢制限も無く、施設規模の設計監理の有資格者の条件だけでほぼ普通の設計事務所にはチャレンジしやすいコンペです。

 その応募条件を見た時、よしチャレンジしてみようと思い、早速さまざまな資料を読み込みながら個人では無理があるので一緒に取り組んでくれそうな仲間に声をかけようと思案していましたが、フト冒頭に書いたように、こんな年齢でこういうコンペに応募することってどうなんだろうと思うようになったんですね。

 フリーの条件ということはつまり実作の乏しい若手にどんどん応募してほしいという主催者側の気持ちがそこに現われているのでしょう。その思惑から外れた、もはや若手と言われる年齢もいつの間にか過ぎ去った設計事務所の私が応募することで、他の若手の邪魔をすることになるのじゃないかと。

 もちろん、箸にも棒にもかからなければ邪魔も何もあるわけじゃないんですが。(^_^;)

 なんだか急ブレーキがかかってしまったようで、モチベーションが下がっています。

 然し、もはや若手と言えない私がコンペに応募する時、漫画賞へ応募する時の手塚治虫の発言を思い出しては奮い立たせて勇気を出すようにしています。
 
 彼は手塚賞という賞も作られるほどの巨匠にも関わらず何かの賞へ応募し続けたそうです。

 なぜ、あなたのような巨匠が応募するのかと尋ねられた時に
(言い回し方の違いは許して下さい)

「審査する立場であるよりは、チャレンジャーであり続けたい。」

 もちろん私が巨匠の手塚治虫と同じレベルであるわけじゃないんですが、世の中の巨匠と言われる人でもこういう姿勢を持っていたということに感動したので、この言葉を覚えています。
 
 
 
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2017/03/26 (Sun) 13:29
大幅に遅れた住宅の施主検査が終わりました。

 ほぼ半年かかった住宅の施主検査が終わりました。

 私や確認検査機関の完了検査は終わっていますが、外構工事がまだまだ。肝心要のセンターコート内の土盛、芝張りが終わらないと印象としては完成ではありませんが、とりあえず建物は住める状態になっています。

 数日前には玄関ポーチのタイルの張り方の雑さ加減に怒り、張り直しを指示した箇所もまだですし、細かい塗装の雑さ加減が目につくところがまだあるので手直しはありますが、兎にも角にも住める状態になったことでホッとしたというのが実感です。

 建築主ご家族も首を長くして待たれていたようで、今日の検査後に転居するとのこと。まだエアコンも付いていないので寒いのじゃないかと心配しましたが、考えてみればムリもない話。本来なら昨年の暮に入居できるはずだったですものね。

 それにしてもコレだけ遅れに遅れたことに怒りもせず、ひたすら待ち続けられてきた忍耐強さと温厚な人柄に、心から感謝しています。

 今日は家具が入っていない状態で室内を撮影しましたが、センターコート側は芝のグリーンがあると印象が随分柔らかくなるのじゃないかと思っています。

 広角レンズで撮影してもごく一部しか映らないのでパノラマ撮影ができる最近買ったばかりのデジカメで撮りましたが、まだ慣れていないしレンズから被写体までが近いせいもあり、パノラマ画像では柱や天井、壁が歪んで写っていました。修正するソフトがあるのかどうか不明ですが、今回の住宅の画像は、外構工事もしっかり終わってセンターコートの芝も貼られた状態で撮影したいと思いますので、ホームページへのアップロードはまだ出来ません。

 まあ全部が完成するまであと10日程度でしょう。今まで散々待たせられましたから、あと10日位はなんくるないさー。

 毎度毎度でもいまだに慣れませんが、引き渡しが終わると、工事中に懸命に施工が進んでいるにも関わらずデザインを考え続けるということや現場に行けなくなるという寂しさは拭えませんね。

 一生懸命に育てた我が娘を嫁に出すという気持のようなものだとよく言われますが、一生懸命に育てたということは同じような心境ですね。あとは建主ご家族の皆様に慈しんでもらえるような住宅になることを祈るばかりです。



最後に、一枚だけ、外構が未施工状態の外観の写真を張ります。

CIMG5347.jpg






 

2017/03/18 (Sat) 11:58
高気密高断熱住宅を目指した設計・監理でわかったこと(少々専門的な話でゴメンナサイm(_ _)m)

 今回の住宅では高気密高断熱を目指しました。

 そのことは依頼者からの要求はありませんでしたが、これからは省エネ法の改訂が続々と生じることは予想されます。

 今のところ小規模住宅に対しての規制はとりあえずは見送られているものの、外国からの圧力がかかると、特に日本を支配しているアメリカ様からの圧力には手もなくヘナヘナと言いなりになる無力な政府・官僚どもが手のひらを返すようにいきなり規制をかけることは十分予想されます。

 それはさておき、これからも住宅においての高気密高断熱住宅は取り組んでいくべきものだと私自身も思っています。一つにはやはり冷暖房や給湯等のエネルギー消費に対し、電気を極力使わない家計にもやさしい生活は必要だろうと思います。そういう思いから高気密高断熱住宅を目指しました。

 もちろん高気密高断熱住宅であっても、パッシブ効果を確保するための窓の位置や遮熱などの配慮をしていることは当たり前だのクラッカーで計画しています。

 さて今回取り組んだ高気密高断熱住宅の断熱性能としての外皮平均熱貫流率UA値ですが、設計段階では0.64W/㎡・Kになります。これは建築地である第6地域における住宅性能表示制度の断熱等性能等級4(H25年基準相当)で求められている0.84W/㎡・Kを遥かに下回っていますが、民間の推奨グレードであるHEAT20 G1の0.56W/㎡・Kには及びません。

 その理由は3つあると予想していますが、まず1つ目はアルミサッシ(熱伝導率λ=200W/㎡・K)の使用。UA値を下げるためには樹脂サッシ(λ=0.17W/㎡・K)が望ましいのですが、コスト面から樹脂サッシを使えませんでしたのでG1ほどには下がりませんでした。

 2つ目はガラスはすべてLow-E複層ガラスを使いましたが、G1レベルを目指すためには、窓の断熱性能はU=2.91W/㎡・K以下の性能が必要なので「樹脂サッシ+Low-E複層ガラス」(U=2.91W/㎡・K)以上の仕様が必要になりますが、そうなるとますますコストアップになるため、今回の予算では不可能でした。

 3つ目は、本来の高気密高断熱であれば、設計段階で省エネのエアコンの性能も設定する必要があります。その数値が出ればUA値はもっと下げられたと思っていますが、今回は依頼者が上に書いたように当初は高気密高断熱住宅を求めていませんでしたので、現時点ではエアコンの機種が特定されず、エアコンの省エネ数値を計上できませんでした。

 UA値をG1なみに下げるためには当初から省エネのエアコンの機種を設定しておく必要性がありますが、設計段階でそうした設定はイニシャルコストがかかってくるために、当初から依頼者による高気密高断熱住宅へのスペックが求められていない限り難しいかなと感じました。

 断熱の仕様ですが、断熱は、床は押出法ポリスチレンボード、壁は高性能グラスウール(外壁に金属板使用部分には+外断熱に押出法ポリスチレンボード)、屋根は外断熱で押出法ポリスチレンボードを使用しました。壁、屋根の通気工法も採用しました。

 しかしこのように図面では書けても、施工現場で感じたことは高気密を確保するための施工の困難さ。

 その設計図通りの気密性能を確保のためには、床や壁を貫通する換気扇やエアコンの冷媒配管用スリーブ、給排水配管のスリーブにはすべて気密処理が必要ですが、文章では書けても実際上はそのスリーブをどの段階で孔けるかによって気密処理のレベルの確保の確認が困難でした。

 その気密処理の確保のために施工手順もスムースに行きません。
 
 断熱材の入れ方は、大工はグラスウールの場合は気密処理の方法は目視検査段階で手慣れている様子でしたので安心でしたが、外断熱に使ったプレスチック系断熱ボードのジョイント処理は、うっかり見過ごすと隙間が空いたまま放置されていたので、断熱材をピッタリするように取り替えるか現場発泡のウレタンフォームで隙間を塞ぐよう指示したり、はたまた床の点検口は普通の点検ハッチを付けていましたので断熱仕様の点検ハッチに取替を指示したりで、それもこれも現場監督の高気密高断熱住宅への意識が欠落していました。
 
 今回ではスリーブの気密処理が大事だからということが分かっていましたので、あらかじめエアコンの取付位置を決めスリーブを開けておくということが可能でしたが、一般的によくあるように後からエアコンを購入した場合、全く気密処理をしないままでスリーブを開けると高気密高断熱住宅の性能が確保できなくなります。

 これから高気密高断熱住宅を購入もしくは新築しようと思われている方は、こういうところにご配慮ください。



 

2017/03/17 (Fri) 08:20
施主下見検査に立ち会いました

 昨日は後1週間でなんとでも終わらせないといけない住宅の、施主下見検査がありましたので立ち会いました。一昨日足場が外されたので全景を支障なく見られるようになったのは私も初めて見ました。

 今回の住宅は、コストの関係でほぼ総2階建てにした上にセンターコートを取り込んだ設計をしました。南側に2台分の駐車スペースが求められましたので、必然的に建物は南側以外の敷地境界にかなり寄ることになりました。

 道路斜線や市の15m高度制限による北側斜線などをクリアーするための寸法でしたので、形態的にもごく当たり前のデザインを余儀なくされたのはやむを得ませんでしたが、今回の住宅のテーマはセンターコートでした。そのセンターコートをいかに心地いい外部的な第二のリビングとして存在せしめるか、またそのセンターコートをぐるりと取り囲む形になる住宅をご家族にとって気持ちのいい空間になるべく模索した住宅でした。

 初期の案では、南に開いたコの字型のセンターコートを提案しました。ご家族の自転車置き場などを屋根の下におけるよう玄関-玄関ポーチ-駐輪場の屋根は連続して3方に連続させましたが、ご主人からセンターコートから利用できるような外物入れがほしいとの要望が新たに出たため、駐輪場スペースを外物入れに入れ替える現在の案に近い形が生まれました。

 あまり囲みすぎるとセンターコートが狭苦いエリアになるので、それをいかに和らげるかにデザインのエネルギーを注ぎました。
まだ生まれたばかりのお子様が近い将来、そのセンターコートでご家族に見守れながら遊んでいる姿を想像しながら、あーでもないこーでもないと模索し続けたことを改めて思い出しました。

 下見に来られた奥様は非常に喜んでいただけて、ワクワクしますと言っていただけたのは嬉しかったし、室内でアレヤコレヤご夫婦でいろいろな生活シーンを想像しながら意見を出し合われているのを目にすることは設計者としては嬉しいものでしたが、事務所に戻り、撮影した画像を見るにつけ、毎度のことながら、もっとこうすればよかったんじゃないかという反省材料がわんさかでてきます。もっとこうするべきだった、なんでそういう発想が出てこなかったのかと改めて考えると、寝付きのいい私も昨日ばかりはナカナカ寝付けない状態でした。

 マア、毎度のことなんですが。(^_^;)

 何年経験しても、これこそがベストという設計が出来ないのは、やはり才能の無さなのか。なかなか認めてもらえないのも才能の無さなのか自問自答で答えは出ませんが、それでも次にまた、設計を依頼してくださる人が現れれば、その人にプロとして真摯な仕事が提供できるレベルになるために必死になって学習する日々を続けています。

 この住宅の現場監督のKさん。予定より既に3ヶ月遅れていますが、あなたに1月末に改めて出し直してもらった工程表を信じて、後1週間で依頼者のご家族は引っ越しされます。もう遅れは許されない状態ですよ。

 がんばれー、がんばれー、がんばれー


2017/02/24 (Fri) 09:50
住宅の工事の遅れた理由

 昨日、今施工中の工期が遅れている住宅のことを書きましたが、遅れた原因の一つには、高気密高断熱住宅として作成した設計図をよく理解しないで職人たちが今まで手がけてきた方法で施工したことに対して、やり直しを度々させたことによる手戻りが生じたことも影響があることは否めません。

 これもひとえに現場監督が職人に対して指示指導をするべきことであるのですが、現場はもっぱら職人まかせという状況が見て取れました。

 数を上げれば切りがありませんが、基礎の段階から土台と柱の納め方の問題、もっと書くと木材の品質の問題、各詳細の納め方の問題など、現場に行くたびに手直しをさせる状態。

 初期の頃の一つの例として、床断熱の私の検査を受けないままに床の構造用合板を貼ってしまいましたので、床断熱材の検査のために床の合板のすべての撤去をさせたところ、案の定隙間が多く、ダメを指摘して断熱材の入れ直しをさせました。その床の構造用合板も、まだサッシが入る前でしたので降雨による吸水が見られたので、該当箇所の合板の取替もさせました。

 一事が万事、このレベル。

 もっと驚いたのは、屋根の通気層を確保していたにも関わらず、軒先からの通気口が取られていませんでした。現場監督に屋根工事業者にどういうふうな指示をしていたのかと確認したところ、通気口が要ると伝えていたのに忘れているようだと他人事のような回答。そりゃ職人も忘れていたかもしれないが、施工責任者は監督だし、ひいては施工責任は請け負った会社が負うことになることこそを忘れているような発言。

 そういうことを改めて認識してもらわなきゃいけない監理者も、イライラする神経と負担が増すばかりです。
 
 現場の大工の棟梁の話では、その現場監督は今までは現場は職人に丸投げで、こういうふうに設計事務所の監理を受けた経験はなかったそうな。

 予想はしていたもののやっぱりねと少々落胆しましたが、今更どうしようもなく、とにかく一旦受けたなら引き渡しが終わるまでしっかりと施工してほしいものです。

 現場監督には、泣いても笑ってもあと一ヶ月だよ。終わればもう二度と私に会わなくて済むんだから頑張れ、と励まして?います。(^_^;)

 しばらく行かないでいると、また心配の種が出てきそうだなぁー(-.-;)



2017/02/22 (Wed) 17:28
遅々としとして進まなかった住宅

 昨年から長々と続いてきた住宅が、ようやく後1ヶ月で完成という所まで来ました。

 まだ油断大敵ではありますが、ここまで来たら流石に現場監督も年度が変わったらマズイということくらいは理解しているのじゃないかと思います。

 確認済通知書を受け取ったのは昨年の5月。おっと、その前に敷地の前の通路が建築基準法の道路として認められるような43条申請をしたことを忘れていた。その申請をしたのが一昨年の11月。それから長々と続いて、43条の許可が出たのが昨年の1月。43条の許可申請だけで2ヶ月もかかりました。さらにそれから確認済通知書を取るまで4ヶ月かかっています。

 なんでそんなにかかったのか。

 建主にとって土地を購入する必要があり、そこが住宅の建築が可能かどうかの目処がたたないと購入できないという理由もあって43条許可が必要だったわけです。

 去年1月にその許可が出てから土地の購入をしましたが、その土地は急勾配の道路に接していますが、その道路の幅が2.5m程度しかないうえに敷地そのものが造成されていません。

 以前は平屋があったそうですが、それも僅かに残っている平らな部分に建っていたため、敷地そのものは手付かずの状態で整地が必要でした。また高低差が大きいために整地するためには擁壁も作る必要がありました。

 隣地との高低差が2m近くあったため擁壁は当然RC造になりますが、2mを超えると工作物申請が必要になるため1.9m程度の高さで擁壁を作ってもらうようにアドヴァイスしました。

 擁壁は私の業務外でしたので、あくまでもアドヴァイスにとどめています。

 擁壁の設計・監理は業務外ですが、上に立つ建物にも影響がありますので、近くを通りかかったら極力見るようにしていました。

 その擁壁の工事が取り掛かって終わるまでおよそ1ヶ月かかっています。コンクリートの養生には現場監督に口うるさいくらいにアドバイス?しました。

 その擁壁工事の前面道路に面するところはセットバックが必要になりますので、その擁壁が終わった後に測量事務所で境界を測定してもらいましたが、その際には道路を管理している市との官民境界査定が必要でしたので、これがまた時間がかかりました。

 そうやってなんだかんだと43条許可を得てから後、敷地の形状が確定するまで数ヶ月掛かるという状態でした。その形状が確定してようやく、それまでおおよそのプランで話を勧めていた配置が確定し、ソレを元に図面を起こしました。

 以前と違い、現在の建築確認申請は確認図と工事が合致している必要があります。
<私から言わせれば当たり前なんですが、これが以前は、確認と現場が違う図面を平気で書く設計事務所が多かったのも事実で、私がそういう要求の仕事を断った時、石部健吉のようなことをしていたら仕事がなくなるぞ、と某不動産屋の親父から脅かされた苦い記憶があります。またそういうことを平気でやる設計事務所は立ち回りが上手いのか、そこそこ名前も売れるという、歯噛みする思いをすることもありました。>
 
 確認提出後の変更は確認の出し直しなどの時間も手間も余分にかかるため、提出前に工事費を確定して変更がないようにしておく必要があります。そのため図面終了後に数社に見積もりをしてもらいますが、九州ではまだ少ないと思われる高気密高断熱住宅にしたためか何処の見積もりも予想以上に高く、大幅な設計変更をせざるを得ない状況に頭を抱えこんでいましたが、予算に合わせた一社が見つかったお陰でようやく確認が出せる状態になりました。

 これに整地後数ヶ月を要しました。

 いやはやとにかくなんでも時間の掛かる状態でしたが、確認申請はスムースに進み、5月に済証が得られました。

 さていよいよ着工だわいとワクワクしていましたが、いやまだ早い、地盤調査が必要だということでSWS調査に取り掛かり。

 そしてこれがまた、調査に取り掛かるまでが長い長い。なんでそんなに時間がかかるのかと思うくらいに長かった。たしかに雨もよく続いたこともありましたが、現場監督の段取りの悪さが徐々に気になり始めた頃です。

 やっとSWS調査となり、その際には立ち会いましたが、地盤の柔らかさが予想以上で、あらら、こりゃ地盤改良が必要になりそうだなーと心配の種がまた一つ。

 調査結果はいかにと思いつつも、これがまたナカナカでてこない。現場監督に何度も問合せても、暖簾に腕押し。こうなったら出てくるまでまとうホトトギスだぁ~(-_-;)

災難は忘れたころにやってくるを地で行くようにながぁ~い時間がたって、ようやく調査結果がでてきました。

 いそいそと見ると、ガァーン_| ̄|○ il||li
 数値的には地盤改良というレベルではなく、ソイルセメント杭の打設レベル。ここでまた追加工事発生です。

 然し、しないと将来的な建物への沈下が問題になるためにやむを得ない。発注者も予想外のため、決断まで少々時間がかかりましたが、結果的に杭を打設する方向になりました。

 そしてまたまたその杭工事の工事がなかなか取り掛からない。とにかく何事につけ、右から左にスムースに事が運ばないことに驚きました。

 一発で終わったお笑い芸人の「右から左へ~」なんてもんじゃなかったですよ、全く。

 もっと驚いたのは、プレカット図が再三再四催促すれども出てこない。プレカットの担当者が多忙を極めているという監督からの言い訳も耳にタコ状態。

 おいおい、ソレじゃ工期はプレカット屋の都合で決まるのかい?とキレましたが、それでも出てこない。

 ようやくプレカット図が 出てきたので、もうすでに工期も遅れているので1.5日でチェックして返し、修正図がすぐに来るかと思いきや、これがまた待てども待てども来ない。

 こんなことに慣れっこになりたくもなく、流石にキレました。

 ようやく、私の事務所でプレカット屋と打合せに伺いたいとの連絡。

 エッ?ちょっと待チネー。じゃ、今まで俺がチェックした図面の修正は手付かずってことか?と。

 驚くでしょ?

 このやり取りだけで2ヶ月はたっぷりかかっています。もちろん、工事はストップしています。基礎のコンクリートも打ち上がっていますが、その後何も進んでいない状態でした。

 近所の人がみたら工事ストップと思われたんじゃないでしょうか。

 本来なら去年の年末に完成して、新年には新居に入って迎えてもらおうと思っていたのが、亀の歩みのようにノロノロと工事は進んでいます。

 私が手術で入院したのも、1月ならもう殆ど終わっているだろうからということで1月半ばの入院としていたのですが、豈図らんや、そのときはまだ内部の断熱材も余り入っておらず、外装板も未取付でした。

 棟上げからすでに3ヶ月も経とうかという時期にも関わらず、そんな状態でした。

 然し、あと1ヶ月で終わらせないと重大な問題になることをしっかりと言い伝えましたので、ようやく工事がここに来て進み始めています。

 まだまだどうなることになるのか分かりませんが、あと1ヶ月で終わらせないと、施工者に対して損害賠償などの問題が出てくる可能性大で、本当に大変なことになります。

 ここで学んだのは、安く請け負った施工会社はやはりこんなレベルだったということです。つまり、全てに言えることですが、安かろう悪かろうの建築会社版。

 すったもんだしている住宅ですが、完成したら私のホームページに載せますので、興味のある方はその折には御覧ください。m(_ _)m

 

2017/02/13 (Mon) 09:27
入院した病院で感じた非常用階段の問題

 入院していた福岡大学筑紫病院の廊下をリハビリを兼ねて点滴を持って歩きながら、平面図形を頭のなかで描きました。

 入院していたフロアーの形は「目」の形で、両サイドの縦長の左下と右上端部には避難用外部階段が外部にありました。中の3箇所の四角の枡は、上下端がナースステーションとスタッフの諸室や処置室。中央の枡はエレベーターホール、屋内階段、スタッフ専用の諸室、手術室へのエレベーターなどが置かれています。

 「目」形の外周部に入院室とトイレが配置され、上記したエレベーターホールの廊下を挟んだ左側には入院患者と面会に来た人の談話用ラウンジやお茶などを自分で入れられる機械が設けられています。

 その両サイドの廊下の突き当りからは外が眺められますが、その突き当りから避難用の非常階段へのアクセスは廊下からドアを開け、階段を数段降りて廊下から見えないところに設置されている避難階段に行くような設定になっていますが、問題はそのドアを開けて数段降りないといけない形。

 何故そんな形にしているのか最初は疑問でした。そもそも入院患者は自分で歩いて避難できる人もいれば歩行できない人も混在しているし、自分で歩行できてもそれはとてもおぼつかない人のほうが圧倒的な数であるはず。であれば、何故ドアを開けて数段降りないと避難用の階段に行けないような設計をしているのか疑問に思っていましたが、ある時、ははーん、そういうことを考えたのかとわかりました。つまり、廊下からの眺めを優先したのではないかと。

 廊下からドアを開けてそのままフラットな面で非常階段へのアクセスが有ると、廊下からの目線には当然手摺にが目に入りますので、その分たとえ手摺がスチールパイプなどのスリット状のものであっても手摺が邪魔な存在として入りますし、スラブも目に入ります。しかしこの病院は数段下がっているので当然手摺やスラブは視界の下の方になるので邪魔な存在として意識されません。

 それは、非常時の避難時のスムースな移動を犠牲にして。

 これに気がついて他の避難階段の場所も確認しましたが、同じような作りをしています。つまり、私の予想はほぼ的を射ているのではないかと確信しました。

 確かに眺めはよく、そこに椅子をおいて終日外を眺めている人も居ました。病院の周辺は山や畑が遠望できる眺めのいいところでしたので終日眺めていても飽きの来ない景観の良いところでしたし、入院中に数回雪が積もったときには山水画のような眺めが出来ました。

 しかしそれと避難時の安全性とを引き換えにすることには大いに疑問、と言うより間違っているのではないか。病院という施設の性格上、何をさておいても入院患者の安全が最優先事項であるはず。

 景観の良さを活かすのなら、病院以外の施設であればそういう設計方針は優れていると思われます。

 入院したフロアーだけでしたので他は全く不明ですが、建物の意匠はコストがかかっているようでなかなか好感のもてるものであっただけに、なんだか少々惜しいなーという印象を持ってしまいました。

 もうン十年前になりますが、私が神奈川県で設計した個人の総合病院と比較して、当時はコストの厳しさもあって病院設計に対して設計者としての想いの10%も込められなかったことを思い出すと、これだけコストが掛けられた設計者が羨ましく思えたのも事実です。

 入院したこの病院で得たそうしたものが今後、私の設計でどんな形で反映されるのか分かりませんが、意匠性と機能性のせめぎ合いは何時どんな施設でも起こるものだと言うことを実感できました。

 

 

 

 

2016/11/21 (Mon) 09:46
ようやく棟上げしました。

時間がかかっていた住宅がようやく棟上げしました。
当初の予定では、とっくに竣工しているはずでしたが・・・・(-_-)

CIMG5152.jpg




この住宅は高気密高断熱になることを目的としているために、天井裏断熱ではなく屋根裏断熱にしています。そのためにも、屋根裏断熱の野地板の裏に、補助断熱材を入れています。

CIMG5159.jpg




その補助断熱材の取付。
屋根から垂木を歩いて断熱材を上からはめ込みます。よくぞ傾斜している垂木の上をホイホイと歩けるものだと感心。
私なら歩くだけでも無理ですが、もし歩けても床があるような錯覚を起こして断熱材の上に足を乗せそうです。

CIMG5149.jpg



2016/11/01 (Tue) 11:12
東京オリンピック。何故既存の施設を使わないのか。

 東京オリンピックの各種競技の会場の問題で、多方面の人からの小池都知事への要望なり脅迫?なりが喧しいですね。

 そういうゴタゴタに関しては、オリンピックと言えども所詮は東京という一地方の問題なのでそれほど関心が持てませんが、理解できないのは既存の立派な施設があるのに、なんで高い税金を使って新しい施設を作る必要があるのかということ。

 どうにも森元首相のゴリ押しとスポーツ選手の、東京オリンピックなのに東京じゃなきゃヤダという、わがままな主張が桝添が知事の時までまかり通っていたのが、知事が小池さんに変わってコストダウン目的で見直されたことから、こうした我儘でコストに頓着しないことが顕になってゴタゴタが続いていると認識していますが、ここでバッハさんが来日して、IOCに約束したことは守んなきゃだめじゃん、とちょいと森元寄りの発言があったことで、事態が動きはじめた様子。

 マア経緯はともかくとして、たとえば水泳競技。丹下さんの設計した世界的な名建築である代々木競技場を何故使わないのかな。あんなに立派な施設なのに、なんでなのかが分かりません。

 耐震性が乏しかったからとかアスベストの問題があるとかを目にしましたが、それが理由だとしてもオリンピック開催までまだ4年あれば、それらは全て解決できるはず。

 オリンピックのたびにレガシーとか耳にタコが出来るくらい聞かされて、こうした高額な施設を新設する必要があるとするならば、金食い虫のオリンピックなんぞ止めたら?金持ちの国しか立候補できなくなっちまうぞってこと、バッハもバッカじゃないから分かりそうなもんだと思いますが。マア、少々オツムの弱い森元は無理か。

 レガシーって、いったい誰のための?
 まさか、あの森元カバ人物の実績作りのためのものじゃないですよね。

 劇場型とかなんとか評価されている小池手法ですが、どうなるんだか。

 それにしても、湯水のように税金を使える東京都ってすごいところですね。これだから石原慎太郎が都知事時代、週2回程度の出勤で決済は全て副知事任せという無責任な仕事レベルだったのにも関わらず、高額報酬を何年も惜しげもなく払い続けていても何ら批判もしないというおおらかな都民だということがわかりますね。

 舛添も慎太郎を真似たんでしょうが、少々やり方が姑息だったために追放されたんですね。

 金食い虫のオリンピックも、うちじゃ金かかりすぎて納税者が納得しないので辞退します、と表明したらいかが?そうじゃなければ既存の施設を使おうよ。

 国際基準に合わせる必要があるにしても、新設に比べればそんなにコスト、かからんでしょうに。

 今や我が国の建築業界は、なんでも新築ということではなくリノベーションで建物の寿命を延ばすことが大事になってきているってこと、バッハさんや頭の悪そうな森元カバさんに説明して理解して貰う必要があったのでは無いでしょうか。

 でもやっぱり、森元さんには理解する能力はないかー・・・・・


2016/08/25 (Thu) 10:37
突然止まったエレベーター

 エレベーターが上昇を始めた途端、ガタゴトと音を出して止まりました。

 訪問先での今日の出来事です。
 
 1階のエレベーターホールで上向きのボタンを押してエレベーターが来るのを待ち、扉が開いて降りる階のボタンを押してドアが閉まり上昇を始めました。

 まいどのルーティンなので何も考えていませんでしたが、上昇を始めた途端に上記のような事態に陥りました。

 もちろんエレベーターの中には非常電話もあり、いざとなれば使うしか無いかと思っていましたが、とにかくドアの開くボタンを押した所、幸いにもドアが開きました。

 床との差は60cmくらいでしたのでよっこらせと降りました。その間、エレベーターは何の反応もありません。
もう一度試しに上昇ボタンを押しましたが何の反応もなく、カゴの中の照明も消えることもなく、ただただエレベーターが反応しない状態。

 いやはや初めての経験です。
 
 幸いにも1階から上昇を始めた直後でしたしドアも開いたので無事に出られましたが、階の中間でこんな状態になったら少々焦るでしょう。

 人通りの少ない場所なので誰か通りかかるのを待つわけにも行かず、エレベーターの管理会社が来るまではカゴの中の鳥(ジジイ)にならざるをえないわけですから、こんな時のために暇つぶしに何かを手に持っているってことはあり得ませんからね。

 でもその場合、暇つぶしよりも困るのはトイレでしょうね。

 いやはやいろんなことを瞬時に考えました。

 エレベーターの扉の横にある電話でエレベーターの管理会社に連絡を入れましたが、呼び出し音が1回で繋がったのにはびっくり。状況を伝え管理会社が来るまで待つわけにも行か無いことも伝えて切りました。

 訪問先へは階段をせっせと登りました。おかげで汗だくだく。

 訪問先にも面白おかしくカクカクシカジカと伝えましたが、さてその後どうなったんでしょうか。無事に動くようになったことを祈ります。

 そういやえらく古いエレベーターだなと思ったものの、法定点検をしているはずだし、まずこんなことは新聞でしか目にしなかったので、危うく閉じ込められることになるとは想像もしませんでした。

 それにしてもラッキーだと思いましたね。階の中間ならどうしようもなかったのですが、幸いにも問題なく脱出できましたので。

 いやはや面白い経験でしたが、二度としたくないものです。
 
 



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