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れれれのおじさん

Author:れれれのおじさん
長崎生まれで高校卒業まで長崎育ち。74年に建築設計の世界に入り、ゼネコンの設計部、アトリエ系の設計事務所などを、さらしに差した鉛筆一本で渡り歩いて設計を修行。86年に縁もゆかりも無い福岡で設計事務所を開設。日本の気候風土に合った風通しのいい住宅を基本に、自然素材を使った住宅造りを続けている。

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2018/06/22 (Fri) 16:46
ブロック塀倒壊は調査方法が不適切

倒れたブロック塀は、小学校が2015年に防災研修の際に外部から招いた講師から危険だと指摘を受けて、校長が市の教育委員会に連絡し、教育委員会が16年2月に塀を打診棒でたたい調査した結果安全だとの見解を出したようです。

調査した市の担当者は建築技術者であったようですが、建築士の有資格者ではなかったとのこと。

ここで専門家以外の方に間違った情報が伝わる恐れがあるので書きますが、そもそもブロック塀の安全調査で打診棒で調べることが間違っています。

打診棒による検査とは、劣化したモルタルやタイルなどの浮きが生じていないかどうかを叩いた時の音で判断するためのものですので、今回のようなブロック塀の安全性の検査には不適切です。

ブロック塀の安全性を調査することは建築基準法に合致しているかどうかを見極めることです。

1.高さ 2.控え壁 3.配筋 4.ブロックの厚み

この4項目が法規に合致していることを確認した後に、ブロックの割れなどを打診棒による調査をすることが適切です。したがって打診棒検査だけで安全だと判断したことが危険な塀を放置してしまいました。

上記に書いた項目のうち3を除けば目視や採寸で簡単にわかることばかりです。

3に関しては目視や打診では分かりません。かといって鉄筋の有無を調べるためのブロックを壊すことは非現実的ですので、非破壊検査として鉄筋探査機という超音波を出してその波形から内部の鉄筋の有無を判断する機械を使うことが一般的です。ここまで調査して初めて安全かどうかの判断が付きます。

ただし、その鉄筋の錆の有無までは判断できませんので、あくまでも調査段階での安全性の判断ということになります。

今回倒壊したブロック塀の安全性の有無を打診棒の検査結果だけで判断してしまったことが問題になってしまいました。

今回のようなブロック塀に限らず建築物の安全性の調査には慎重に時間をかけて行うことが必要です。鉄筋コンクリート造や鉄骨造は言わずもがな、木造でも基礎の鉄筋の有無や数を調べるためにも鉄筋探査機のような特殊な機械が必要になることも多々あり、その結果意外にコストがかかりますが、こと人命に関わる可能性を考慮すればやむを得ないものだと思います。



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2018/06/16 (Sat) 08:55
長年、据え置き型食洗器を使ってみて

昨日、食洗器のことを書きましたが、使用中で気が付いたことなどをつれづれと気の向くままに(兼好さん、すみません。パクリです。)。 
私の実体験ですし据え置きタイプでのことでビルトインタイプは分かりませんし、既に使われている方には何の参考にもなりませんのでスルーしてください。

<カタログにあるような人数分の食器は入らない>
これは日本車のカタログにあるような燃費と同じ。TOYOTAのプリウスなどはカタログでは27km/lとあるそうですが、実際に使っている人の話を聞くとせいぜい20km/lがいい所だと聞きます。
やはり前から言われているようにカタログ値の8掛けが実数値という認識は変わっていない様子ですが、それと同じよなものです。

カタログでは6人向けと書いてあっても、カタログに載っている写真は平べったい皿ばかりで茶碗などは少々。実際的にはありえない食器がカタログの参考として写真が載っていますが、その写真に結構騙されてしまいます。
実際には隙間をあまりとらないように四苦八苦しながらキツキツにしてようやく6人向けの食洗器が5人程度収まるようです。

<カタログのように入れると綺麗に洗浄できない>
上に書いたようにキツキツに入れると、噴出する洗浄水は食器の隅々まで当たらないために洗い残しが結構出ます。そのために妻も聞き取りをした奥様のほぼ全員が下洗いといって食洗器に入れる前に汚れをざっと流してから入れるとのことでした。
これじゃ節水効果も半減しそう。

食洗器の洗剤は専用のモノがあるようですが、これが普通の食器洗い洗剤との違いが分からない。
ノズルが詰まらないようになっているのかわずかな量でも洗浄能力が落ちないようになっているのかだろうと思いますが、洗剤メーカーも違いの説明が不足していますね。しかもその専用の洗剤が普通の洗剤より高いとのこと。

この辺は洗剤メーカーの対応の改善が必要なのではないかとひそかに思っています。

メリットは

<人では不可能なくらいの高温で洗う>
人の手で食器を洗うとしても、せいぜい30℃から40℃だろうと思いますが、食洗器の場合はコースにもよりますが80℃の高温洗いも可能なようです。これくらい高温で洗って乾燥も同じくらいの温度で乾燥すれば殺菌効果も大きいでしょう。

この高温洗いは食洗器に温度を上げる機能付きになっていますのでそれを使うことも多いと思いますが、それは結構電気代がかかります。

食洗器に接続させている蛇口の温度を給湯器で上げておけば電気代も食洗器の機能を使うよりはかからないのと思いますが、流し台の水洗を使う時に高温設定にしていたことを忘れないようにしないと大変です。

これもビルトインタイプなら食洗器専用の給排水配管接続になっていますので、こういう心配は不要です。


2018/06/11 (Mon) 09:45
省エネ住宅のメリットを分かってもらう方法

建築専門誌で、省エネ住宅の居住性を分かり易くするための体験談が掲載されていました。

かたやZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス 略して「ゼッチ」と呼んでいます)とかたや築20年の木造住宅のそれぞれの宿泊体験記です。立地はZEHが東村山市で都内より気温が低くなる地域です。

双方ともに同時に二人の体験者が同一場所での温湿度計を置いて、同じような生活をしてみた結果の検証報告です。

詳細は省きますが、エアコンを入れているわけでもないのにZEHが室温が終日16℃前後で推移していて、体感的に暖房を必要としないほどであった様子が載っています。

早朝の起床時には寝室の室温は13.3℃。就寝した時には14.5℃だった様子で、わずか1.2℃しか下がっていなかったとのこと。その時間に外気温を調べると-4.7℃。外気温に影響を受けないということがはっきりしました。

かたや築20年の木造住宅では早朝の同じ時間では寝室の室温が8℃で起きて着替えるのが苦痛だったとの報告です。

これ程にも差があったということに驚きです。

設計打合せの初期段階で省エネ住宅の説明を行っている折に、省エネ住宅にした場合のメリットを説明してくれと言われても、実体験が把握しづらいこともあってメリットがなかなか理解してもらえないうえに、デメリットとして省エネにするためのコストがかなりかかります。

私は潤沢な予算の住宅の設計依頼はほとんどありませんので、厳しい予算で住宅を建てる依頼者が、樹脂サッシやペアガラスなどの目に見える建材だけではなく、省エネ効果を上げるために壁内に埋め込まれている省エネ対策のためのコストに対するパフォーマンスが分かりづらいために、そのコストを減らす方向に意識が向くのはやむを得ない面もあります。

省エネにすることによって室温が外気温に影響を受けない結果、ヒートショックのリスクが劇的に下がるという医療面でのメリットを説明する手法はたびたび使いますが、依頼者が現実的に直面している問題としているものでもなければ実感に乏しいのは表情を見てもわかります。

断熱効果という代物は理解してもらいにくいものですので、今回の専門誌の実験のように、同じ時刻に生活する上での省エネ対策の有無の違いがある建物による実験値を比較検証して初めて分かるものでしょう。

旧民家の断熱材の少ない建物を建て替えて、しっかり断熱材を入れた住宅(コストの関係上、樹脂サッシは使えない高気密高断熱程のスペックは採れませんでしたが)を引き渡し後に訪ねて、生活の変化や快適さの様子を尋ねることはありますが、断熱性能の向上は意識されていないことがほとんど全ての人に当てはまります。

お尋ねして初めて、そういえば前よりも寒さを感じない。という回答がほとんどです。

しかしこれは仕方のないことで、毎日の生活の中で以前の生活とを毎日のように比べるなんてことをするわけもなく、新たな生活に人間の感覚はすぐに慣れてしまい、それが当たり前のことになってしまうのはそれこそ当たり前。

確かに高気密高断熱にすること、さらにその上のレベルのZEHにすることは、その性能を確保するためのコストは以前の1.3倍以上掛かるようになって来ています。もちろん仕様にもよりますが、ZEHにすると標準的面積木造住宅で坪単価90万円かかるケースもざらにあります。

経験からですが、高気密高断熱でもない普通に断熱材を入れた木造住宅では私の場合は、以前は坪52~3万円当たりの価格帯が多かったものですが、高気密高断熱にすると坪70万を超えるのが普通になってきています。場合によっては坪80万近くかかるケースも出てきていますし、よりハイスペックなZEHならば坪90万台になるのもむべなるかなというところです。

将来的に医療費が軽減されるというメリットを分かってもらえるような伝え方に神経を使ってきましたが、今回の専門誌のような実験データがはっきりしてくると、それをもとに説明がしやすくなるのは有難い。

その専門誌では継続してその具体的なデータを掲載するとのことで、大いに期待しています。



2018/06/04 (Mon) 10:54
BIMに悪戦苦闘しています

何時かは身に着けたいと思いつつも先延ばしし続けたBIMの練習をしています。

BIMはこれからの建築設計には必須のアイテムになるソフトであるし、そのためにも操作スキルを身に着けることは必須の時代になることも分かり切っていましたが、なんせなかなか必要に迫られなかったこともあって真摯に向き合いませんでした。

BIMって何ね?という方も専門家以外にはおられる(長崎弁:おんなさる)と思いますので簡単に書くと、PCの画面上で建物を最初から立体的に操作し、それと連動して図面も作成され、あるいは見積数量も出せるという優れものです。

2次元CADなら建物のデザインをエスキスしながら模型を作って検討をしながら、いまいち出来がよくないなーと思って変更したら変更図を作って、の繰り返しになりますが、BIMなら画面上で立面やプランを変更しても、それと連動して図面も自動的に変更されるので、従来のように改めて模型や図面の作り直しがいらなくなります。

発注者へのプレゼンテーションのために立体的な模型が不要になるとは思えませんが、検討段階で模型を再三にわたって作り直す必要がなくなるというだけでも作業能率が上がると観念的には理解できますが、はてさてそれをしっかりと身に着けるためにはどれほどの時間が必要なのかということと、高額なソフトに投資してそれが生かせるような仕事の依頼が来るかということも併せて考えると、二の足どころか三の足を踏みました。

そう迷いつつもしっかりとBIMを取り入れている設計事務所は大手のみならず個人事務所でも見られるようになってきましたので、よっしゃ、ここで一つ取り組んでみっぺ、と思い立ち、とりあえずは代表的なBIMソフトを比較検討し、日本の法律に合致しているというBIMとしては最後発の日本製GLOOBEをとりあえず無料試用期間1か月を申し込んでDLし、それを練習している最中です。

実感は2次元CADレベルどころじゃない煩雑な操作に、いったい一か月の試用期間でどれほど理解できるのかということになるのかしらと、ほとほと弱気になります。

合間合間に練習していますので、前にやった操作を忘れてしまってまた数ページ戻りの繰り返し。2歩進んで1歩下がるという、何かの歌詞状態(^^;

しかし、ボリュームスタディの段階での建物の形状を作成するというところは、操作の煩雑さを習得してしまえばさすがにわかりやすい。模型で斜線制限だの日影規制だの天空率だの様々な日本の建築基準法を一気に立体的に作り上げることの煩雑でうんざりしますが、これを簡単に提示してくれます。

あまり習得できないままでお試し期間が過ぎそうですが、終わったら今度は別メーカーのARCHICADを試してみようと思っています。初期コストはGLOOBEの方が安そうですが、なんだかんだと別のソフトも必要になるような様子。
まあ、これはほかのソフトも同様の様子です。しかし要はコストだけで判断しないで使いやすいほうを最終的には選ぼうかと思っています。

試用期間は後2週間。わけのわからないままであっという間に終わりそうですが、最後まで取り組んでみます。

しかし、実際取り入れるとなると、我が倹しい事務所には、た、高い・・・・・(T_T)


2018/05/12 (Sat) 10:08
武雄市図書館と芸術文化会館の画像です

昨日書いた建築の撮影画像です。画像をクリックするともう少し大きなサイズになります。



<武雄市図書館>



アプローチ
アプローチ

記憶ではこの図書館建築に際して反対派は、周囲に緑が多いのになんでわざわざ金をかけて植栽するのかという意見だったそうな。それは日本国は森林が多いのに都市に緑は不要だという意見に同じようなもの。




内部
2階通路と天井構成

木の色合い、照明の明るさ、屋根勾配に沿った斜め天井の度合いなど、いろいろな要素によって、図書館でもあり本屋でもあるという室内の静寂さと相まって落ち着きのある空間に仕上がっていることがわかります。





2階通路からの見下ろし
2階から見下ろし

大きなトップライトが、その明かりをもってプラグマティックな機能のみならず、室内の中心性を醸し出しています。




トップライト周りの室内
内部

書架の間は広くもなく狭くもないという程度の距離感。平日というのに結構な来訪者がいたのには驚きです。もっとも私もその中の一人ですが。





外観
遠景

周辺環境がゆったしりた敷地の中に、緩勾配の片流れ屋根の大きな屋根構成の建物が軒先を低くしてこれ見よがしの主張をしないでひっそりと置かれていることがわかります。好感が持てる設計です。





巨大なトップライト
トップライト

一般的な既製品を使わないでオーダーで作ったトップライトですが、室内の印象からこのサイズで正解だったのじゃないでしょうか。







<九州芸文館>


正面
遠景

派手といやぁ派手なデザイン。九州の山並みをモチーフにしたとのコンセプトのようですが、それは多分後付け。要はやりたかった形態じゃないかと思いますが。
確かに面白いですが、しげしげとみているとあることに気が付きました。
次の画像。






軒先のディテール
軒先
軒先を絞り込んで薄く見せています。意匠設計者がいつも軒先をシャープに見せたがりますが、その手法です。
何か気が付きませんか。

正解は最後に






石をランダムな貼り方に見せている外壁
石貼り

この建物はほとんどがオーダーメードで作られています。鋼製建具もこの石貼りも。
サイズは特注じゃないにしても貼り方が凝りに凝っています。面白いっちゃ面白いんですが、意味が分からない。
新しい表現方法を模索したとでもいうのでしょうね。芸術文化会館だから。





お隣に建っているアネックスと呼ばれる鉄筋コンクリート造の研修施設。
研修室

ここも軒先の処理は先ほどと同様ですが、R面を生かすために曲面ガラスを多用しています。
曲面ガラスがどれだけ高いか、私はチャレンジしても一回も実現したことはありません。湯水のように税金使うとこんなこともできるのかという例。

形態的には面白いデザインですが、武雄市図書館のような感動は起きません。若い人には受けるかもしれません。まるでコルもどき。





さて先ほどの問題の解答。
つまり軒先をシャープに見せたいがために、一般的にある軒樋を省いているということです。

軒樋が見当たらないので、内樋としているのかとさんざん見ましたが、見つけ出せませんでした。
つまり雨水は屋根から直接地面へ流れ落ちているという状況でしょう。

降雨時に見ないとはっきりしたことはわかりませんが、これもずいぶん前に私がこの施設同様に軒先をシャープに見せたいデザインにして軒樋のない建物を設計した時に、確認審査設備で、軒樋をつけろ。つけない場合は地面に雨水を受けて流す処理をしろと指導を受けました。

建物が無い場所では雨は地面に直に落ちるのに建物があるところには樋をつけて雨水を受けなきゃいけない根拠は何かと尋ねたところ、法律で決まっているとのことでした。

法律名はずいぶん前になるので忘れましたが、世の中に納得のいかない法律はごまんとある中の一つだと思いはしたものの、そういう規則があるなら仕方がないと地面に雨水受けを設けて側溝に流す方法をとりましたが、いまだに納得がいっていないので記憶にしっかりと残っていますが、さて隈さんのこれ、軒樋が無い。

地面に雨水受けがあるのかと思いきやそれもなし。あれま。国際的建築家なら許されるってこと?それとも、県の職員が設計主体だから樋は省いてもヨカバイってこと?

いっちょんわからんばい。

お隣のアネックスも軒先の問いはありませんが、これは軒先がせりあがっているので建物中央部分に樋が設けれているのだろうと好意的に解釈しました。


軒先の樋は軒先のエッジをシャープに見せたいデザインをした場合にはその処理が難しいのも確かです。しかし、軒樋の効能は、建物外壁を雨水による汚染や劣化から守るという目的も確かにあるのも事実ですが。


さて、建築的に私の軍配は武雄市図書館に上げますが、皆さんはどうですか。


2018/04/04 (Wed) 08:18
返信へのコメントと地震に対する心構え

久保田さんからの返信が来ましたのでコメントを書きました。

>>早速のご連絡ありがとうございます。 やはり寸法が必要だったのですね。 開口部は掃き出しで、4m×1.8m、上部の「梁?」、 「それとも非耐力壁?」は、60cm、壁厚は約20cm です(上階ベランダの下からサッシ上部まで)。

開口部の幅が4mで高さが1.8mということでしょうか。
上部の壁厚が20cmとは仕上げ寸法も含めてということだと思いますが、一般的な非耐力壁のコンクリートの壁厚は15cm+仕上げ厚(タイル張りなら約3cm)としても18cm程度なので20cmになりませんが、ひょっとして壁構造なんでしょうか。

1,2cmの誤差は無視されても当たり前ですが、てっきりラーメン構造(以下ラーメン)とばかり思い込んでいましたので、壁構造ということもありますね。

ラーメンなら建築当時の耐震壁としては一般的に18cmが大部分ですので、それに仕上げ寸法を加えると20cmになります。つまり久保田さんが「梁?」と書かれているところにヒントがあります。ラーメンなら梁は見ればすぐに分かりますが、壁構造なら何処までが梁なのかは分かりづらいのも無理のないことです。

しかし、壁構造とだとしても、それほど開口幅の大きい部分の上部壁は、いまでこそ雑壁として耐震計算に乗せることになっていますが、当時の基準では非耐力壁になりますので、その部分に80Φ程度の開口を開けても問題になりません。

>> 多少安心しましたが、 大きな地震が来たときは心配になりました。 »

東北大震災のようなそれまでの構造基準を超える規模の地震が来たら、やはり壊れる可能性は大きいのは否定できません。こればっかりは正直わかりません。旧耐震基準で作られた建物が壊れなくて新耐震基準で作られた建物が被害を受けたという事実がありますが、これは多分その建物が建っている地盤の良し悪しの影響があったのではないかと思います。

しかし、被害を受けた確率ではやはり新耐震基準での建物のほうが被災率は旧耐震のものに比べると遥かに低かったデータがあります。

構造基準が想定している以上の震災に遭遇した場合、100%安心というものは存在しないという気持ちを持たれていたほうがいいと思います。

壁構造はラーメンに比べると耐震性能は高いものになりますが、ずいぶん昔の新潟地震の写真で、壁構造の共同住宅が元の形を残したままごろりと横倒しになっているのを目にしました。

話が変わりますが、私は共同住宅で部屋を借りる際には、可能ならば1階は避け、高くても3階までとしています。

地震などの災害の際、木造やラーメンで最も多いのが1階が潰れる建物が多いということ。壁構造ではそういうケースはほぼありませんが。

そしてそういう災害時に、出口から逃げられない場合は窓やバルコニーなどから飛び降りて避難することになりますが、一般的な共同住宅の階高であれば、2階までなら悪くても骨折程度ですみます。3階なら重体になる可能性が高まりますが、それでも助かる可能性もあります。それが4階以上になるとほぼ助かりません。

その意味でも、住む階も意識して選んだほうがよろしいでしょう。





2018/04/01 (Sun) 07:35
御質問への回答

久保田さんから下記のような質問が来ました。

> 築34年の5階建てRC構造の老朽化したマンションです。
> 水道管の交換工事をした際、場所はバラバラですが、掃き出しのサッシの上(開口部の上部:非耐力壁?)に80Φ
> の穴を開けられてしまいました。
> 一級建築士だという業者は「問題ない」と言いますが、
> 本当でしょうか?詳細が不明では、はっきりしないと
> 思いますが、いかがでしょう。
> このような内容でも、ご返事いただけるのでしょうか?

構造的なことのご懸念からのご質問だと思います。ご質問の文章で判断するという前提です。

穴を開けられた場所は、梁下<梁をスリーブで抜くことは構造的な検討をしていないのであれば、通常は考えられませんので>にあるサッシとの間の壁だろうと推測しますが、開口部のサイズが分かりませんが通常は非耐力壁と思われますので80Φ程度であれば構造的には問題ありません。

むしろサッシ上端とスリーブ下端の距離が適切に取られているのかどうかが気になります。その間に鉄筋が無いほどの隙間になっているのであればクラック(ヒビ)が発生する可能性がありますし、むしろこの方が問題かもしれませんね。

梁をスリーブ貫通した場合は、梁の断面不足、鉄筋の切断、スリーブ廻りのひび割れ発生<工事時点での梁貫通であれば、100Φ未満であればスリーブ廻りの鉄筋の補強の必要はありませんが>の懸念など諸々の問題が生じます。極端に安い施工会社に依頼すると、結構こういう工事を平気で施工するケースも目にします。

構造的には問題ないとしても、文言からは勝手に開けたというように読み取れますので、その対応の仕方が問題ですね。
丁寧に説明をして納得してもらってから開けるようにすることが施工者としての有るべき姿勢だと思います。

ご質問、有難うございました。お役に立てば幸いです。


2018/03/08 (Thu) 09:33
安易なリフォームに警鐘

昨日書いたブログで、mさんから今用途変更のためのリフォーム計画中の建物で、やはり依頼者は柱を簡単に抜けると思い込んでいるとのコメントをいただきました。

こういうことになった原因の一つがガイヤの夜明けで放映されたように、構造面で無知な職人と職人に指示をしている発注者の影響が多大にあるようです。

また、あまりにもズサンすぎるので見なくなったビフォーアフターという番組で、そこでも簡単に柱や梁を抜いて改造するシーンが放映されていました。

改造を設計している設計者は本当に有資格者なのかしらと疑問に思うようなことが目にあまりましたが、この番組の影響はやはりかなりあったのも事実です。

設計料は放映されていませんでしたが、どう見てもコストがかかる改造なのになぜか工費はかなり安め。そのせいか、知り合いの建設会社の社長も、あの番組のせいで話が壊れたケースが結構あるようなことを嘆いていました。

私も数回リフォームの話が来た際に、ビフォーアフターで結構手間を掛けているにも関わらず安い工費が放映されていたので、自分が予定してる予算なら十分可能だと思いこんでいる方が結構おられました。
あれは番組上の話であって、現実はこうですよとお伝えした結果、依頼は瞬殺されましたが、あの番組は工事費は番組でカバーしている部分がかなりあった様子でしたが、そのことはあまり知られていませんでした。

もちろん設計料も伏せられていましたので、上記した方は設計料も込みで可能だと思われていました。

かほど左様に建築のことに無知なTV局の連中がとんでもない工事を、さもこれが当たり前だよというふうに放送するから、一般的にはそれが平均値だと思われてしまいます。

その番組に売名のために協力してきた設計事務所も罪作りなことをしました。

協力してきた設計事務所も、番組を見たからと依頼があっても設計料の面でどうしても折り合えずに契約できないケースが増えたとのコメントを見たことがあります。

申し訳ないですが、自業自得だと思いました。設計事務所は設計料で家族を養い、所員の給料を払い、そして自分たちが携わった仕事への責任を負い続けるという社会的責任を維持し続けるために、社会的に存続し続ける責任があります。

そのためにも適切な設計料というものは必要とされますが、どうしてもここがこの国の文化的意識の低い民族である事をさらけ出します。

つまり設計はただでだという認識は、広く社会的に持たれてしまっている。
そうした認識をあまねく広めているのが、ガイヤの夜明けのとんでもない中古住宅のリフォームであったりビフォーアフターという番組です。

将来的には中古住宅を再生するというプロジェクトがメインになると思いますが、そのためにも安心できる設計と監理がなされていることが必要です。そのことはボランティアでは不可能なことです。

適切な業務報酬があってこその適切な建物の継続した保存が可能になりますし、そのことが当たり前のように実現していく国になって欲しいものです。







2018/01/21 (Sun) 10:54
建築確認申請悲哀

建築の確認事前申請を出して7日がたち、審査機関から指摘事項のメールが届きました。

近年は確認申請は民間の審査機関に出しています。何故ならば、民間のほうが人間扱いしてくれますので。

以前のように役所でしか建築確認審査ができないときは、役所の審査窓口では、担当者が高圧的に上から目線で役人風をビュービュー吹かせるため、その非人間的な口の利き方や一方的な法解釈の押し付けに対して毎度のように怒りまくることは枚挙にいとまがなく、それに比べると民間に審査機関のほうが心中穏やかに接することができます。

それにしても、いやはや今度も実に多い。

法チェックはくどいほどしたつもりでしたが、それにしてもよく見つけ出すものだと呆れるわ感心するわ。その細かい性格はO型で大雑把と言われる私にはどこを探してもまったくもって持ち合わせていない。

やっぱり確認検査という仕事に就くのはは無理だなー。いや、その気もありませんが、性格的に無理そうです。

建築の仕事というのは無から有を生み出して世の中に3次元の立体構築物を生み出すという行為にやりがいを持ちますが、一連の業務の中で、この世界に入って40年経ちますが、どうしても慣れないのが確認申請という業務。

建築を使う人にとって安全を確保するための最低限の法律という建前の建築基準法ではありますが、それも何かが起きるたびにどんどん法律が追加され、法規の本も建築基準法と建築告示という分厚い2冊の本に別れ、さらには建築関連規定という建物の種類に由ってこれまた建築基準法以外の法規制がてんこ盛りという状態です。

確認審査業務を毎日している人なら仕事柄法規には強くなるでしょうが、人の設計したものを代わりに確認申請(これを代願業務と言います。)をするという仕事をしていない私にしてみれば、確認申請は自らの仕事に関係する分野以外に手を染めることもなく、ましてや改修工事などは確認申請が不要なケースが多い。

つまり、私のように確認申請をすることそのものが年に数件有るかどうかという事務所レベルでは、なかなか建築基準法が頭のなかの隅々までに入っていかない。ましてや新しい法律が毎年のように出来る昨今では、その解説のための勉強会にも積極的に参加するものの、その法律に対する経験値が少ないためになかなか身につかないのも事実です。

前回はこうだったからという記憶も時間が経つにつれ希薄になってきて、いざ申請するという段階では、プランにほぼ全力を注いでしまった結果、建築基準法の細部は綺麗に霧の彼方に飛んでしまっています。

さて、気合を入れ直しててんこ盛りに書かれた指摘項目を逐一検証して図面の修正をしていく事になります。

それにしても、確認申請が容易になる夜明けはまだまだぜよ。





2018/01/19 (Fri) 17:25
デベによるデベのための建築

木曜日に故郷新大工町の再開発事業組合の会議に数カ月ぶりに参加しました。

というのも、そろそろ再開発ビルの基本設計が固まりつつ有るということもあって、ボンビー事務所をやっている私も一応関係者ということもあって、兄からそろそろ顔を出せと脅迫されたので仕方なく一泊する予定で参加しました。

今までの会議の流れは浦島太郎状態でさっぱり分かりません。ただただうなずきトリオ的な状態でしたが、再開発ビルのプランの話になってからはやはりこれは守備範囲。これで決まりということはありえない、設計レベルとしては基本設計レベルという感想でした。
規模がでかくなればなるほど、当初から参加したデベは早く実績として残したい、早く手放したいという気持ちが見え見え。しかしプランそのものも私から見れば半熟にもなっていない。これで実施設計に入るということはありえない。特に再開発で要求されている広場の扱いが実にステレオタイプでどこにでもありそうな形状。

いかにも再開発しました的な、いかにも著名なデベが参加しました的なレベルでしたので、色々と意見を出しました。

いかんせん相手は日本トップレベルのデベと、同様に著名な設計事務所。方やノミのオシッコレベルの無名な建築士(言わずもながの私のことですね)であれば傍目から見れば勝負は明らか。無名の悲哀を感じました。

広場のイメージもありきたり。いまどき広場といやあステレオタイプでつくっていることは専門家向けの資料を見ても飽きるほどパターン化しています。しかし新築当初はモノめづらしさとキラキラで客は来るけど、あっという間に潮が引くように誰も来なくなって閑散としている再開発ビルは全国どこでも目にする。

デベや設計事務所の実績としては残るけど、その残された施設を一生懸命に活性化するための努力を地元は押し付けられるということ。

私は今回の再開発地域で生まれ育った出身者だけに、目に見えて衰退するようなステレオタイプのデザインの再検討することが必要だと意見を述べましたが、しかし無視されることは目に見えますね。

要は、デベも大手設計事務所も所詮は他人事。実績として残せば、ハイ終了です。

著名なデベも設計事務所も、金持ち相手がメインの仕事。それに比べると無名な私は地べたに這いつくばるような仕事をしているなーと実感させられました。

しかしそれは独立当初から望んでいたこと。市井の人に力になれる建築士でありたいと思って独立したのであれば、むしろその方針を全うしていると思っていますが、いかんせんカスミはなかなかお腹にたまらない(^_^;)

今回の会議で私の小粒の意見もどこまで汲み取ってもらえるのか分かりませんが、デベの立場から言えばそんなことをしたら時間も掛かるし手離れが悪すぎる。

そうやって著名なデベの見解が押し付けられて、納得がいかないままにどこにでも有るような建物が立つのでしょう。
デベによるデベのための建築が、また建つのでしょう。

建築とは資本主義社会の経済社会下における生産行為というものであるのは重々承知しては居ますが、やはり建築士ってのはミケランジェロや辰野金吾以来の金持ちの味方になっている人が多いのも事実。そのように金を湯水のようにかけられるから美しい建物ができるのか。

建築は金持ちだけのものなのかと嘆いている無名な、無名なだけに無力な、しかし庶民のサイドに立って力になろうという建築士の声は、無名なだけにそういう声を取り上げてもメディアは売れないから、結局どこにも届かない。

意見だけは述べたものの、どこまでも手応えのない霧に囲まれた空間をひたすら押しただけのような虚しさだけを味わって来ました。

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